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変身能力を持った悪友(イラスト: universeさん)(アイドルマスター シンデレラガールズ二次創作)

universeさんの画像をお借りしてストーリーを付けさせて頂きました!
許可を下さったuniverseさん、ありがとうございました!
元ツイートは一番下に。



俺は親友の達也の家の呼び鈴を鳴らした。
「ピンポン、ピンポン、ピンポン、ピンポン……」
奥の方から声が聞こえて、ドアの方まで近づいてきたのがわかる。

「はいはい、そんなに焦らないでもいま出ますよ……っと。遅かったな、一樹……って、ええええっ!?小日向……美穂っ!?」
ガチャリとドアを開けた達也は、一瞬息を飲む。
俺は両手の人差し指で口元に「×」を作り、はにかんだ笑顔を作りながら、挨拶する。
「は、はじめまして!プ、ププ、プロデューサー!!こ、小日向美h……」
「……なんだお前か、まあ入れよ」
「なんだよー、最後まで言わせてくれよ!ちゃんと練習してきたんだからさぁ」
俺は「小日向美穂」の顔でぷぅっ、とむくれながら言う。

俺の一家は「超能力一家」というやつだ。家族はみんな生まれつき、何らかの超能力を持っている。
俺が持っているのはいわゆる「変身能力」。一度見たことのある人間になら誰にでも瞬時に変身することができる。父方のじいちゃんが同じような能力を持っていたらしい。隔世遺伝、ってやつかな。
変身すると、身体能力などは変身した人間の能力もコピーできる。だから、スポーツ選手に変身すれば抜群の身体能力を持てるし、歌手に変身すれば抜群の美声でカラオケすることだってできる。そう、女の身体になればその女の性感まで――。

もちろん、超能力のことは誰にでも話していいってわけじゃない。何年か以上の付き合いがあることとか、ややこしいいくつかのルールがあって、それをクリアしたのが親友の達也だったのだ。そんなわけで、俺は唯一俺の秘密を知っている達也の家に遊びに行っては、色んな人に変身して達也の反応を見るのが楽しみだった。

最初は驚いたりしていた達也だったが、人間の慣れとは恐ろしいものだ。2、3ヶ月もすると達也はすっかり俺の変身能力に慣れきってしまった。今では最近よくテレビや雑誌などで見ることが多くなってきたアイドル、小日向美穂に変身して家にやってきても、この通りだ。
折角この身体に合うサイズのパーカーとスカートまで買って着てきたのに、一発芸にすらならない。

「で、この子どう?かわいい?」
「まあ、かわいいっちゃかわいいんだけどさ」
「なんだよそのリアクション、つっまんね~!小日向美穂ちゃんの姿なのにさー。アホ毛がかわいいだろ?」
俺は小日向美穂の身体に合うスニーカーを器用に脱ぐと、早速達也の家に上がり込む。
うーん、俺だったらミニスカートから伸びるこの肉付きのいい太ももについ目がいってしまうところなのだが――。

「その変身能力を自分のために使えよ、俺に見せびらかして何が目的なんだよ……」
このように、つれない反応なのが達也なのだ。くそう。

「お前が『触らせて、揉ませて、嗅がせて、舐めさせてください』って土下座する所が俺は見てぇんだよっ!」
悔しくなって、つい俺は本音を口走ってしまう。
「一樹……性格悪いなお前」
達也は呆れた顔でクールに返す。ぐぬぬぬ……。
「何?実際お前って……女の身体に興味ないわけ?」
持ってきた荷物を無造作に置き、どっかりとリビングのソファーに腰掛けながら俺は言う。
スカートの中が見えたって構うものか。むしろ見せてるんだこっちは。下着だって女物を穿いてきてんだぞ。

「いや、いくら女の身体とはいえ、中身はお前なわけで」
「そーは言ってもさぁ、こーんなに魅力的なんだぞ?タレ目で、顔もかわいいだろ?17歳のくせにおっぱいも結構大きいし」
俺はそう言いながら、自分の胸をこれ見よがしに持ち上げる。

「ば、馬鹿っ!そういうことはやめろって」
恥ずかしそうに背を向け、こたつに入る達也。
「いーじゃん、別に誰も見てないし、俺の身体だぞ?それより、触りたくならないのかよ。今ならノーブラだぞ」
後ろを向いてしまった達也の髪をうりうりとかき回す。

「いや、触りたくなるんだけど……美穂ちゃんめっちゃかわいいし」
「ちげぇーんだよ、もっと必死に頼むとかさ」
俺は達也の態度がいちいち不満なのだ。なにが「触りたくなるんだけど……」だ!俺が求めてるのはそうじゃない。もっと、必死に「男の本能むき出し」みたいなやつが見たいんだけどなあ……。

「はぁ~、じゃあ高垣楓でもダメだよなぁ……せっかく着替え持ってきたのに……」
俺は諦め半分に変身能力をもう一度使いながら言う。
顔の輪郭だけではない。髪型や声、手の形、身体の形まで変化したのがわかる。
まだあどけなさの残る17歳の身体から、25歳の成熟した身体へ。
出している声も、すこし幼さを残していた甘い声から、クールで大人びた声に変わる。
身長が少し伸びたせいか、着ていたパーカーとミニスカートが少し窮屈に感じる。

瞬間、息を飲むような音が聞こえる。
「……え?」
顔を上げると、そこにはいつの間にかこたつから出て俺をまじまじと見つめる達也の姿があった。
目が据わっている。達也の獣のような目、そして俺の、いや高垣楓の目と目が合う瞬間――

「おっぱい触らせてください」
達也が地に頭をこすり付けるように土下座した。
「おっ?おお……?」
期待していたはずの展開でも、突然来ると誰しも戸惑ってしまうものだ。ましてやそれが、一旦諦めかけた頃にやってくればなおさら。

「ど、土下座……?えっ、えっと、お前、高垣楓のことが……?」
達也は土下座したまま顔をあげようとしない。
俺は高垣楓の身体の高鳴る鼓動を抑えることもできず聞いた。
「え、おっぱい触りたい……?」「触りたいです」
「髪くんくんしたい……?」「嗅ぎたいです」
「この声で、囁かれたい……?」「囁かれたいです」
相変わらず平伏姿勢を保ち続けたまま達也が泣きそうな声で言う。
「楓さん……大好きです」

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来た。来ましたよこれは。そうか、楓さんだったのかぁーー!お前が好きだったのは!
俺は高垣楓の顔を遠慮なくニヤけさせながら言う。
「どうしても触りたいの?」
俺はいつしかソファーから立ち、仁王立ちになって土下座する達也を見下ろしていた。アイドルデビュー前はモデルもやっていたこともある、171cmと長身の高垣楓の目線は、当たり前だが先程の小日向美穂ちゃんの目線とはだいぶ差があるのを俺は感じていた。

「触りたいです。ドストライクです」
……目線が高いほうが土下座を見下ろすときは気持ちがいいよね。しかも達也、俺を触りたいの?本当は男なのに?俺はゾクゾクするような快感を感じていた。

「仕方ねぇなぁ……」
もうすぐ、もうすぐだ……いや、しかしまだだ。落ち着け……俺は鼓動の収まらない胸に言い聞かせながら、持ってきた紙袋を手に取る。
「着替えてやっから、ちょっと待ってろよ」
俺は意味ありげな目配せを達也に送ると、トイレを借りることにした。もちろん目の前で着替えてやってもいいんだが、あえて見せないのもまたサービスってな。

+++

「じゃーん!これならどう見ても本物の高垣楓にしか見えないだろ?んふっ♥」
俺はそう言うと、グラビアアイドルのようなポーズを取ってみせる。
この日のためにわざわざ、「高垣楓のコスプレ用衣装」を買ってきたのだ。高い買い物が無駄になるかと思ったが、最後の最後で無駄にならなくてよかったぜ。
……まあ、「高垣楓のコスプレ用衣装」っていうか、今俺は「実際に高垣楓」なわけだからコスプレじゃないんだけどな?細かいことは言いっこなしだ。

「どうどう?可愛いか?ん~~?」
俺は見せつけるように腰を軽く振ってみせる。高垣楓の薄い服が俺の動きに合わせて軽く揺れる。胸を強調するような衣装ではないはずなのだが、俺の今の細身の身体では否が応でも胸が目立ってしまう。
加えて、肩が露出しているこの衣装……我ながらセクシーだ。俺は自分の身体に見とれたあと、横目でちらりと達也のほうに目をやる。

「めっちゃくちゃ可愛い!美人!興奮する!」
「もっと」
「声かわいい!太ももエッチ! ほくろエロい! 興奮する!」
達也は持てる限りあらゆる賛辞を俺にぶつけてきた。「興奮する」という言葉の通り、いつもクールでテンションの低い達也が俺を見ながらハァハァと荒い息を吐いていた。これだよ。俺が求めていたのはこれ!男の本能むき出し!

「おいおい、いくら『高垣楓の身体だからって』中身が俺だと興奮しないんじゃなかったのかよ?いくら『高垣楓の身体そのものだからって』さぁ~」
「そ、そういうこと言うなよ!それにその衣装……楓さんそのものじゃないか!」
「全く……たかが着替えで……たかがきがえで……『たかがきかえで』……ふふっ」
思わず25歳の美女には似つかわしくない、オヤジみたいなダジャレが口をついて出てきて、俺はなんとなく可笑しくて笑ってしまう。すると――
「か、楓さんだぁ~~~!」
達也のやつ、ますます興奮してやがる。え?これでいいの?

「か、楓さん……早く……触らせてください……」
正座待機する達也の下半身は、ズボン越しからでもはち切れそうなほどパンパンになっているのがよく分かった。しかも、俺が見ていたらもっと大きくなってきてやがる。

達也のやつ、男の俺相手に性欲むき出しにしちゃって必死かよ……♥あぁん♥男の性欲を弄ぶのって気持ちいいぃ~~♥
俺は頬に手をやると、自分の顔が紅潮して熱くなっているのが分かった。きっと達也から見たら、とんでもなくエロい顔をしているに違いない。ヤりたくなってくるだろ?何せ俺は高垣楓なんだからな……♪
俺は下半身の内側からきゅうっ、と湧き上がってくるような快感にゾクゾクしていた。

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「そこまで必死に頼まれちゃ仕方ねえなっ」
ごくり、と生唾を飲む達也。
「お前に楓さんを堪能させてやろう」
俺は悪戯っぽい笑みを浮かべると、くるっと達也に背を向ける。
達也は正座しているから、俺を見上げるような形になっている。男の視線、女にバレてるって本当なんだな。達也が俺の黒タイツに包まれた長く美しい脚を舐めるように見つめているのがよく分かる。荒い息とともに突き刺さるような視線が伝わってくるようだった。

俺は見られる快感で左手で自分の体を抱きしめ、少し身を捩らせながら、そのまますとんっ、と達也の上に腰を下ろす。達也はあまりのことに緊張しているのか、身をカチコチに固めたまま動かない。
そりゃそうだろう、そりゃそうだろう。現役S級アイドルの高垣楓が自分の膝に腰をおろして密着しているのだ。カチコチに緊張している達也の身体。それにひきかえ、俺の身体は……
「どうだ……?女の子の身体ってやわらかいだろ……?」
俺は、さっきズボンの上でパンパンになっていた達也のアレの感触をお尻で感じていた。
「身体だけじゃなくて、こっちもめっちゃ固くなってますよ♥プロデューサー♥」
「うぁっ……」
俺は高垣楓のショートパンツごしに、尻でぐりぐりと達也のアレを刺激してやる。
動くごとに、俺の細くて柔らかい髪が達也の鼻先をくすぐる。
「うふふ♥ほら、嗅ぎたかったんでしょ?プロデューサー……?ひゃぁん♥」
言うか言わないかのうちに、すーはーすーはーと荒い息遣いとともに、髪や、首筋などを吸いまくる達也。大丈夫か?過呼吸にならないか?
達也の荒い息が耳元や首筋にかかり、俺の髪が揺れて、擦れて、絶妙に刺激してくる。
「あん♥くすぐったぁい♥」
俺が嬌声を上げるごとに、俺の尻の下で達也のムスコがむくむくと膨張していくのがわかる。
こいつ、俺の声を聞いて興奮しちゃってるんだな……♪
俺は自分の下着がグショグショに濡れてしまっているのを高垣楓のアソコで感じていた。

「ほーら、おっぱいも触りたいんだろっ」
鼻で呼吸するだけの機械になってしまっていた達也の手を掴み、ぐいっと俺の胸まで引き寄せる。

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この変身能力で、いろんな女に変身してきた。揉んでるのに自分の胸を揉まれている感覚はなんとも不思議で気持ちのいいものだったが、人に揉まれたことはまだない。
「今日は少し大胆になっちゃおうかなぁ……ふふふっ」
俺は達也の手を俺の胸の上に置いた。達也の手が震えているのがわかる。
「プロデューサー……私、今日ノーブラなんです」
さっき小日向美穂だった時に言った事実を繰り返す。さっきはなんともなかったはずの達也が、ビクッ、と震えたのがわかる。面白すぎ……♥
ゆっくりと、俺の胸が揉まれ始める。達也の手に合わせて俺の胸が柔らかくふにふにと蠢く。
「はうぅん」
人に揉まれるってこんな感じか。不思議な感触に俺の息もだんだん荒くなってくる。

俺は振り向いて、達也と目を合わせながら、涙目で懇願するように言う。
「プロデューサー……私、興奮してきちゃいました。責任取ってくださいね?」
「楓さん……楓さんっ!」
俺は内心ニヤつきながら、ノリノリで演技を続ける。
「私、興奮してきて……ほら……ここ……乳首、固くなってきちゃってるんですよ?」
俺の乳首を、服越しになぞるように、俺は達也の人差し指を誘導する。
「ほらここ……わかるでしょ?ここが私の、高垣楓の乳首っ……ぁあうっ!」
やべぇ、この身体、高垣楓の身体、乳首敏感すぎっ……!
俺はビクビクと身体を震わせながら軽くイッてしまった。

気づくと、俺は達也に乱暴に押し倒されていた。
「楓さんっ……俺、もう我慢できません……」
「ちょ、ちょっと!」
俺は

(省略されました……続きを読むにはワッフルワッフルと書き込んでください)



わっふるわっふる!
元ネタはこちらです▼



universeさんのイラスト・漫画が読めるtsuniverseもよろしくお願いします!

天使のような(後編)

天使のような(前編)はこちら

(2017/5/27追記)
tsuniverseのuniverseさんから挿絵をいただきました!前編及び後編に追加しています。

(あらすじ)
学校を無断で休んでいるクラスメイトの裕里香さんの家まで様子を見に来た「僕」が見たのは、鏡で自分の身体を見ながらオナニーにふける、普段とは全く違う裕里香さんの姿だった。男言葉でわけの分からないことを言い、「僕」の目の前で「サービス」と言ってまたオナニーを再開する裕里香さん。イってしまった裕里香さんを呆然と見つめる「僕」は――。

僕は目の前で起こっていることが、まだ信じられないまま、顔を紅潮させその小さな肩で息をする裕里香さんから目が離せずにいた。裕里香さんは相変わらず、焦点の合わない目を僕のほうに向けていた。

「ゆ、裕里香さん……僕は」
「……ユリカじゃねえよ」
「え?」
「そのユリカとかいう女じゃねえ、って言ってんだよ、俺はよ」
裕里香さんはぼんやりと、うつろな目つきでそう言った。
何を言っているのだろう、裕里香さんは。では、僕の目の前にいるのは誰だというのだ。双子のきょうだいでもいるというのか?

「あの……」
「俺はな、普通のサラリーマンだったんだよ。でも、ある日会社クビになっちまってよ。無職のムサいオッサンなんて、冴えないだろ?」
「ゆ、裕里香さん?」
「それでな、俺はある日願ったんだ。神様ってもんがいるんなら、どうして俺にこんな辛い日々を送らせるんだって。次に生まれてくるときには、金持ちで、美人で、スタイルがよくて、なんの苦労もしねえような良家のお嬢さんに生まれ変わらせてくれ、って願って、いつものように酒を死ぬほど呑んで寝たんだがよ」
「……」
「次の朝気づいたら、この女になってたってわけだ!マジでビックリしたぜ!うひゃひゃ!」
裕里香さんはそう言うと、さも愉快そうに、美しい顔を歪めて笑った。
何を言っているのか、僕は全く理解できなかった。

「まあ、信じられねぇかもしれんが無理に信じてもらう必要はねぇよ」
べろり、と唇を下品に舐めながら裕里香さんが言った。

「どっちにしろ、この女の身体はもう俺のモンだし、それを誰かにわかってもらう必要なんてこれっぽっちもねえからな……あぅん♡」
これ見よがしに裕里香さんがしなを作り、僕に見せつけるように片方の胸を揉んでみせる。

「……つまり、君は裕里香さんじゃなくて、男だっていうのか……」
「あぁ。自分で言うのもなんだが、これといった特技もねぇ、パチンコが趣味の冴えねぇオッサンだよ♪それがこんな身体になるなんて、やっぱ神様っているんだな~♪」
裕里香さん、いや、裕里香さんのカタチをした「男」は下着だけになっている自分の身体を抱きしめ、いやらしく撫で回しながら恍惚とした表情を浮かべた。

「一週間もぶっ続けでオナニーしてるのによ、飽きるどころかどんどん感度が増してきてるんだぜ♪このロリ顔にこのエロボディは反則だろ、な、お前もそう思う……」
「ふざけるな」
「あぁ?」
裕里香さんの顔がこちらを睨む。

「……今言ったことを全部本気で信じているわけじゃないが、裕里香さんの身体はお前みたいなやつが使っていい身体じゃない」
「……なに言ってんだお前……?この女の彼氏かなんかか?偉そうな口利きやがって」
下着姿の裕里香さんが立ち上がり、僕の顔を睨みつけてくる。身長に差があるから、裕里香さんが僕を見上げるような形になるが、その威嚇の動作自体はその辺のヤンキーとまるで変わらない。

ふいに怖い顔をしていた裕里香さんが、顔をいびつに歪ませながら笑う。
「まぁ、そうは言っても俺だってこの身体にどうなってなったかわからねぇしよ、元にどうやったら戻るのか、分かるのか?お前」
ヘラヘラしながら、裕里香さんは僕の顔をさらに覗き込む。

「それに」
「うっ……」
「お前も、この女の身体に反応してんじゃねえか?股間にテント貼りながらなぁ~にが『ふざけるな』だよ」
いつしか僕の身体に密着しながら、裕里香さんはニヤつきながら僕の股間を上から撫で回していた。
僕の身体に、裕里香さんの柔らかそうな胸が下着ごと押しつぶされている。僕の足に、裕里香さんの両足が絡みついて、艶かしく動く。

「や、やめろ」
「大木順也だっけ?自分に素直になれよ、大木。この身体に興味あるんだろ?こんな美少女のイヤらしいところを見せつけられて、興奮しない男なんかいねぇだろ?」
見透かすような目で、実に楽しそうに「男」は裕里香さんの顔を使って笑った。まるで、共犯関係になることを誘っているような、たくらみを持った笑みだった。
裕里香さんは僕の目をいたずらっぽく見据えながら、器用に僕のベルトをカチャカチャと外し、僕のズボンをおろし始めた。

「大木、俺も『男』だからよぉ、この女の身体に興味あんだよ、な?オナニーじゃ、味わえない快感ってあるじゃん?」
裕里香さんの小さな白い手が、下着越しに僕の股間をさらにいやらしく撫で回す。

学校の憧れの的だった裕里香さんが、こんな――こんなことをするなんて、信じられない。
いや、待て、この子は、こいつは、裕里香さんじゃない。落ち着け、落ち着け――

僕が必死に自分を抑えようとしているのを眺めながら、「裕里香さん」は僕の耳元まで口を寄せて、囁くように言った。
「ねぇ、しようよ、順也」

気づくと僕は無我夢中で裕里香さんをベッドに押し倒していた。パステルカラーのビーズクッションが、ベッドから床に落ちた。
「お、おい!危ねえだろ――ひゃあっ……んっ!」
僕は裕里香さんのブラジャーを荒々しく外し、その形の良い乳房を揉みしだいた。はじめて触れる裕里香さんの肌はとても張りがあって、柔らかく、手にしっとりと吸い付くようだった。そのまま僕は裕里香さんの乳首を貪るように舐めた。
「はぁっ……お前、がっつきすぎ……あぅっ!この身体、マジで、感度やべえ、よ……」
また顔を紅潮させながら、裕里香さんが喘ぎ声をあげる。
今の裕里香さんの顔は、学校でいつも見るのとも違い、さっきまでの「男」の顔とも違う、純粋で動物的な「メス」の顔になっていた。それがまた、僕を興奮させてしまった。

「お前が悪いんだぞ、お前が、こんな風に誘ってくるから」
僕は自分への言い訳とも取れるようなことを呟きながら、裕里香さんの下着をおろした。裕里香さんの綺麗な下半身が露出した。
裕里香さんはトロンとした目をして、同じように下着を脱ぐ僕を見ながら言った。
「おお、顔に似合わずお前、チンポでけーじゃん、この身体に……入る……の……」
言いながら、突然裕里香さんは目を見開き、苦しそうにし始めた。
「なっ……!?頭が……頭が痛え……」
「お、おい……」
僕の声など聞こえていないくらい、尋常じゃなく苦しむ裕里香さん。思わず身を起こし、頭を抱えて苦しんでいる。
一体どうしたというのだろう?

「カはっ……ヤべぇ……意識ガ」
そう言うと、ガクッと裕里香さんはうなだれ、無言になった。

「ど、どうしたんだよ……」
うなだれていた裕里香さんが、弱々しく頭を上げる。

「あれ……?私、どうして……」
裕里香さんが呟く。

何か様子がおかしい。これは、もしや――
考え終わるか終わらないかのうちに、裕里香さんが振り向き――僕と目が合った。

瞬間、耳をつんざくような恐怖を伴った悲鳴が聞こえた。



「裕里香さん、落ち着いて、落ち着いて」
「嘘、嘘、なんで、大木くんが、なんで私、裸に」
裕里香さんはパニックになっていた。
先程までと全く違う裕里香さんの様子に、僕は直感的に「元に戻った」と感じていた。

「裕里香さん」
「……信じられない、どうして!?大木くん、ひどいよ」
「裕里香さん、落ち着いて。話をとにかく、聞いて」
僕は「落ち着いて」と繰り返すのが精一杯だったが、客観的に見て全く説得力はなかった。
裕里香さんからすれば、目覚めたら裸にされていて、そこに全裸の僕がいたという状況なのだ。しかも、股間のモノを勃起させながら。

布団で身体を隠しながら、ガクガクと震える裕里香さん。
僕はなだめようとして少し手を伸ばしたが、
「裕里香さん」
「嫌ァァァァァァ!来ないで!来ないでぇ!」
金切り声を上げる裕里香さんに、僕はどうしていいかわからないまま、伸ばした手を降ろした。

いつの間にか、裕里香さんは自分のスマホを手に取っていた。震える手で、パスコードを入れている。
「ゆ、裕里香さん、何を……」
「警察、警察に電話を……助けて……」
「ま、待って……違うんだって!」
「ひっ!」
思わず大声を出した僕に、裕里香さんは怯えたように息を飲む。
しかし、もう一度意を決したように、スマホで番号を押している。
警察を呼ばれるのは、まずい。

「や、やめろっ……」
僕は叫んで、裕里香さんからスマホを取り上げようとしたが、裕里香さんは必死で抵抗した。

「嫌ァッ!近寄らないで!誰か、助けてっ!」
「違う、違うんだって」

しばらく揉み合っていたが、裕里香さんの動きが突然止まった。
「……裕里香さん?」
「……あ、頭が、頭が痛いっ……私……いや、俺……このカラダはもう俺のもんだっ……誰にも渡さねえぞぉっ……嫌ぁっ……誰なの……私が、私じゃなクなルっ……怖いよ、た、助ケテ……」
突然苦しみだす裕里香さん。これは、さっきと同じ――

呆然としていると、「裕里香さん」が言った。
「おいっ、大木っ……、お前も、手を貸せっ」
「て、手を貸せって……」
「嫌ダっ、私、消えソウ、助けて、助ケテエっ」
一人二役のように、「裕里香さん」の中に、あの男と本物の裕里香さんが同居して、せめぎ合っているかのようだった。

助けなきゃ、本物の裕里香さんを、助けなきゃ――
僕はそう思ったが、その思いと裏腹に、僕のもっと深くの声は全く違うことを言っていた。

<裕里香さんを助けてどうなる?お前はさっき、あの女からあんなに嫌がられてたじゃないか>
「違う、あれは、勘違いで」
僕はかすれた声で呟いた。

<勘違い、ね。じゃあ、その勘違いとやらを全部説明したところでどうなる?お前は、結局「あの男」の誘惑に負けて、ヤろうとしてたんじゃないのか?>
「それは……」

<その時点で、もうお前とあの男は共犯関係だ。どうあれ、二人とも裸になってたんだ。誤魔化しきれないぞ。それに――>
「それに?」
僕は、答えがわかっていながら、自分で自分に聞き返した。

<お前は結局、まだ「裕里香さんとヤリたい」って思ってるじゃないか>

僕の中で何かが弾けたような音がした。
僕は苦しんでいる裕里香さんに、近づいた。

「大木っ……あとひと押しなんだっ!オおキくん……タスけテ……手を貸せっ!大木っ!」
くるくると表情を変える裕里香さんの目の前で、僕は言った。

「裕里香さん、ごめん。君にはもう、この世界から消えてほしいんだ」

一瞬の静寂。

「ウソ、ナンデ、オオキ、クン」
次の瞬間、瞳孔を見開いた裕里香さんが、か細い声で、ポツリと言った。
そのまま、裕里香さんは無表情のまま固まった。

何時間も経ったように思えたが、もしかしたら数秒の間だったのかもしれない。

裕里香さんの目に焦点が戻り始め、無表情だった裕里香さんの顔は、ゆっくりと、ゆっくりと、あのニヤけたような嫌らしい笑みに変わっていった。
「頭痛が消えたぁ……」
「裕里香さん」は、嬉しそうに言った。



「サンキュー大木、お前がまさかあそこまで言うとはなあ?おじさんビックリしたぜ♪」
あぐらをかいた裕里香さんが、裸のままで、嬉しそうに自分の胸を揉みながら話している。
僕は自分のしでかしたことの結果を目の前でただ眺めていた。

「お前が最後決めてくれなかったらあいつ、消滅しなかったかもなぁ、このカラダにしがみついてたからよぉ、うひひひ」
裕里香さんの漏らす声は、ゲスな笑い、という表現しか見当たらなかった。
そして、僕はその共犯者だった。

「何がしてほしい?お前は恩人だ、なんでもしてやるよ♪」

僕は渇いた喉から、声を絞り出した。
「――さっきの」
「うん?」
「さっきの、続きだ」

一瞬ぽかん、とした顔をした裕里香さんが、ニタァと口角を吊り上げる。
「お前すげぇわ、この状況でもセックスかよ?俺よりお前のほうが悪党だろ」
「うるさい」
ぼくは無表情で呟いた。

裕里香さんは、ひひっ、とまた堪えきれない笑いを漏らした後、その綺麗な唇から甘えた声を出した。
「ねぇ順也くぅん、あたし、カラダがうずいて、熱くて仕方ないのぉ……さっきは『邪魔』が入っちゃったから……ね、さっきの続きしよぉ?」

言うか言い終わらないかのうちに、僕は裕里香さんを押し倒していた。
「裕里香さん……裕里香さん」
僕は、「その男が入っている器の名前」を何度も呼んだ。

「順也くん♪来てぇ……はやく挿れてぇ♡クフフっ」
何がおかしいというのだろう。変わった女の子だ、裕里香さんは。
僕はトロトロの愛液まみれになった裕里香さんのアソコに、自分のモノをゆっくりと挿入した。
「あっ♪あっ♪入ってくる感覚がするぜ……やべっ……新感覚だ♪腹ん中すげえ満たされてる♪男だったときには絶対味わえない感覚だ♪」

僕は力任せに、何度も何度も腰を振って、裕里香さんの中をかき回した。

「あうぅっ!!あっ、あっ、ぁあっんんっ!んんんっ!この女の身体、今までで、中が一番、……んんっ!んうっ!ぅあっ!」
息も絶え絶えになりながら、僕が腰を振るのにあわせて高く大きな喘ぎ声を出す裕里香さん。
その美しく真珠のように艶やかな肢体は、もうピンク色に染まっていた。

「あんんっ!ぁあっ……あっあっぁ……やべ、こえ、すごいでる、きもち、よすぎるっ」
裕里香さんはもう完全に目の焦点が合っておらず、髪を振り乱した裕里香さんの唾液が口元を伝ってシーツを汚していた。

「イキそう、イくっ、イくぅぅぅっ」
裕里香さんの膣が奥の方からきゅうっ、と締まるような感覚がして、裕里香さんの身体がビクビクと痙攣を起こした。

その締め付けに刺激されて、僕もほぼ同時に絶頂を迎えた。



裕里香さんは、その後も呆けたような顔でだらしなく足を拡げたまま、しばらく身体をヒクヒクと痙攣させていた。
でも、こいつは――裕里香さんじゃない。裕里香さんは、もういない。

この後どうすればいいのか、と思う僕の横で、アイツが言った。
「な、なんか、来る……あっ、あっ、記憶が流れ込んでくる……」
「記憶……?」
「こいつの名前、いや、違う、『私の名前』、『天草裕里香』、こういう字を書くのか……。楽しかった『パパとママとの思い出』、『幼稚園のときの初恋』、『はじめての生理』……『今の学校のクラスメイトのみんな』……、『私の記憶』が、洪水みたいに……ああああっ!!」
裕里香さんの身体に入ったあいつが、さっきイッたときのようにまたビクン、ビクンと痙攣を起こす。

「お、おい……」
僕が驚いていると、裕里香さんが目を開けた。
「……おはよう、『大木くん』♪」
そう言って、そろそろと身体を起こし、小首を傾げてにっこりと笑う裕里香さん。
その表情は、「いつもクラスで見る裕里香さん」そのものだった。

「なっ……」
もしや、また「本物の裕里香さん」が戻ってきたのか。僕が身構えていると、裕里香さんは言った。
「驚かなくてもいいんだよっ♪……俺、こいつの記憶が読めるようになったみてぇだなぁ?」
裕里香さんの顔の表情が、みるみるうちに歪んでいく。あいつの顔だ。

「そ、それじゃあ……」
「大木くん、あなたは私の命の恩人だよ。その上、イかせて貰ったことで『私の記憶』も手に入れられたみたい」
うふふ、と上品に笑う裕里香さん。とても、アイツが裕里香さんの身体に入っているとは思えない仕草だ。
記憶を読んだことで、裕里香さんのように振る舞えるようになったのか……?

「ね、そんなことより」
すすす、と近寄ってきた裕里香さんが、僕の首に手を回しながら言う。

「大木くん、私、まだし足りないの♡もう一回、エッチしよっ!記憶を使って、『裕里香そのもの』になってしてあげる♡」



天草裕里香――裕里香さんは、僕らのクラスの人気者、という表現ではとても収まりきらないくらい、誰からも好かれる女の子だ。
ぱっちりとした大きい目、透き通るような白い肌、ふるふるとした唇。スタイルの整った身体、程よく大きい胸。
僕だけじゃない。みんながその美しさに見とれていた。
裕里香さんはクラスの、いや学年中の男子の憧れの的だった。
その容姿だけではない。裕里香さんは天真爛漫で、素直で、誰にでも優しく接する。
嫌味なところがなく、その容姿を鼻にかけるようなこともしない。だから、男性だけではなく女性からも好かれる。

そんな裕里香さんが、僕と付き合っているという事実は、既に全校生徒の知るところとなっていた。
裕里香さんが皆に伝えたのは、僕が「命の恩人」であり、「本当の自分を取り戻させてくれた」ということだった。
確かに、ウソはついていないかもしれない。だが……。
そのおかげで、僕はクラスの男子からは「一体どんな手を使ったんだ」と羨ましがられ、クラスの女子からも一目置かれる存在になったのだった。

全ては、何事もなかったように。だが、僕は知っている。
裕里香さんはもう、裕里香さんのようで、裕里香さんではないのだ。
僕が、裕里香さんを消したから。

「お、順也。お前の彼女がいるぞ」
クラスメイトにそう言われ、ふと顔を上げると、廊下の向こうでは裕里香さんがクラスの女子と話しているところだった。

「なんか裕里香さん、変わったよな。髪型がポニーテールになったから?いや、それだけじゃなく……なんつーか、エロくなった?っていうか……お前の影響か?」
クラスメイトはからかうつもりで聞いたのだろうが、僕の表情は強張っていた。そう、それは僕の責任だ。
髪型がポニーテールになったのは、単に「アイツ」の好みだからだ。「裕里香さん」の意思じゃない。

裕里香さんはこちらに気づくと、僕の方へ駆け寄ってきた。
「ねえ、放課後、今日も私の家に来るでしょ?それとも順也くんの家に行く?」
ニコニコしながらクラスメイトの前でも、臆面もなく話しかけてくる。
クラスメイトにからかわれるのには、慣れてきた。しかし――

裕里香さんが俺の耳に顔を近づける。女の子の、シャンプーの匂いが鼻をくすぐる。
「俺の身体、楽しみたいだろ?わかってんだよ、悪魔」
そう言うと裕里香さんは、僕にしか見えない角度で、ニヤリとゲスな男の笑いを浮かべた。
この笑いだけは、慣れない。
でも、僕はこの呪縛から、もう逃れられないのかもしれない。

「裕里香~、何話してるの?行っちゃうよ?」
「ごめん~、すぐ行く!」
裕里香さんが応える。

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「アイツらもそのうち喰ってやろうかな」
小声で僕にぼそっ、と呟いたあと、クラスの女子のほうに走って行く、裕里香さん。

「じゃ、また後でね♪順也くん♡」
振り返って、小首を傾げてアイツが微笑む。

裕里香さんの微笑みは、すべての人を幸せにする。
その笑顔は、優しくて、意味ありげで――

そう、まるでそれは、天使のような。

(おわり)

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皆月なななです。 TSF(男が女になっちゃう)小説を書いています! Twitterもよろしくね https://twitter.com/nanana_minaduki

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