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変身のメリークリスマス(虎島タオさんのイラスト付きver)

昨年のクリスマスに作った作品に、虎島タオさんの素敵なイラストをつけていただきました!!
クリスマスの変身TSFものとなっております。

***

「……ああ、それにしても彼女が欲しい。クリスマス・イブ。世間では恋人たちが愛を深め、幸せな一日を過ごす日だというのに俺は親友の聖也と二人、することもなく俺の家でいつものようにゲームに興じていたのだった。男二人で気兼ねなく過ごすのもいつもなら悪くはないが、今宵だけは違う。ああ……彼女が欲しい」
「太一、変なナレーションみたいことをいきなり言うのをやめてもらっていいかな?」
「え!?いま俺、声に出てた!?」
「……ああ、彼女が欲しいという切実な思いの独白だったな」
 そう言うと聖也は、メガネ越しに俺の方を憐れむような目つきで見つめた。
「なっ、なんでお前がそういう目で見てくるんだよ!お前だって彼女いねーだろうが!」
「……まあ、今はそうなのだが」
 彼女いない歴=年齢でもちろん童貞の俺とは違って、聖也は痩せ型のイケメンメガネ男子、といった風貌で、一部の女子からは結構な人気があるというのを耳にしたことがある。それでも、元来から真面目な性格をしている聖也は「本当に信頼できる女性としか付き合わない」とかいう理由で、過去にも俺の知る限り1人しか付き合ったことのある女の子はいないはずだった。しかも「信頼できる女性」を探しておきながら、昔から人の言うことを信じ込みやすい性格をしているから、致命的に女を見る目がなかった。唯一聖也が付き合ったその女の子はどう考えても「遊んでいる」感じの風貌で、案の定付き合って一年でその女の子が二股、いや三股していることが発覚して夏に別れたばかりだったのだった。

 いや、今はそんなことはどうでもいい。俺は大きくため息をつくと、ゲームのコントローラーを放り投げてベッドに大の字に寝そべり、ジタバタと手足を動かした。
「ああ~~もう、彼女欲しい彼女欲しいよ、彼女が欲しい~~」
「駄々っ子みたいだな……。彼女を作って、何がしたいんだ?」
「贅沢は言わない……一緒にゲームやれればいい……あと……」
「……あと?」
「ちょっとオッパイ揉ませてくれるだけでいいから……」
「……」
「ああ、神様……サンタ様……一日でいいから彼女を俺にください……」
「女なら誰でもいいのか?」
「いや、できれば玲奈ちゃんみたいな感じがいい……」

 佐藤玲奈ちゃん。俺達の大学の語学クラスでよく見かける女の子で、学年は1つか2つ下、といったところだろうか。いつも口元に笑みを絶やさない少し垂れ目で小動物系のほんわか系美人だ。
 少しだけふんわりとカールのかかったセミロングの黒髪も魅力的だが、それよりも150センチ台の身長ながら、ニットの胸元を押し上げる2つの膨らみがクラスの男子の視線を釘付けにしていた。
 俺も例外ではなく彼女の容姿に見とれていたのだが、一度彼女と目が合ったときなどは、どぎまぎしてしまった。他の女子なら気持ち悪いものを見るような目線を投げ返してこようものを、俺と目が合って恥ずかしそうにはにかむ笑顔も玲奈ちゃんの性格の良さを表しているような気がしていた。

「玲奈ちゃんか……それは高望みしすぎでは……」
「そんなことないって!この前俺に笑いかけてくれたもん!」
「……うーむ」
 聖也は何か考え込んでいるようだった。時々聖也は俺に何か隠し事をしているのではないかと思うことがある。男同士の仲で水臭い。聖也はしばらく間を置いてこう言った。
「太一、すまん。用事を思い出した。今日はここで失礼する」
「……はぁっ!?ちょ、クリスマスを俺一人にする気かよ!?……はっ!さてはお前、本当は彼女がいて、これから彼女と性なる夜を迎えるのでは……」
「いや、そんなことはない……ないのだが、やはり今日はここで失礼する。……それで、お前が彼女としたいことは本当に一緒にゲームをやって、その……胸を揉むだけでいいんだな?」
「へっ?……あ、ああ……そうだよ」
「それで、玲奈ちゃんがお前の好みなんだよな?」
「そうだけど……そんなこと確認してどうするんだよ?」
「いや、聞いておくだけだ。……その願い、叶うといいな。それじゃ」
「ちょ、ちょっと!」

 聖也は有無を言わさず玄関で靴をさっさと履くと、俺の引き止める声も無視して帰ってしまった。
「薄情者……あんなやつ、絶交だ……」
 俺はベッドで再びうつ伏せに寝そべりながら枕を涙で濡らしていたが、いつの間にか眠ってしまったようだった。

***

「……ぱい、先輩!先輩!太一っ!」
 女の子が俺を呼ぶ声で目が覚めた。いかんいかん、眠ってしまったようだ。って、女の子?
 寝ぼけまなこで横を見て、俺は驚愕で目を見開いた。すぐに身を起こし、ベッドにそのまま正座する。
「れ、玲奈……いや、佐藤さん!?」
 いつも遠くから見つめるだけで話しかけたことなど一度もない。玲奈ちゃん――佐藤玲奈がそこにいた。腰に手を当てて立ち、こちらを柔らかい表情で見つめている。相変わらずニットを押し上げる胸が目立つ。俺はベッドに正座しているので、目の前に玲奈ちゃんの胸があるような形になってしまった。って、距離近くないか!?
「やっと起きましたか。玲奈、でいいですよ。……先輩、って呼んでもいいですか?」
「あ、ああ……って、そうじゃない!玲奈ちゃん、どうしてここに……?」
 俺はようやく玲奈ちゃんの胸に釘付けになっていた視線をはずし、疑問を口にした。
「どうしてここに、じゃありませんよ……えーっと……」
「……?」
 少し考えた風な玲奈ちゃんが、今思いついたと言うように言った。
「そう!お……聖也先輩が、一人で寂しくクリスマスイブにゲームしている太一先輩を慰めてあげてって言うから来たんですよ?」
「聖也がそんなこと言ってたのか……聖也、玲奈ちゃん、ありがとう……」
 俺は聖也に心から感謝した。玲奈ちゃんをどうやって言いくるめたか知らないが、二人で過ごすためにアイツは帰ってくれたんだな。しかし、はて……?

「うーん……?」
「ど、どうかしましたか……?」
 玲奈ちゃんが怪訝そうに言う。
「いや、玲奈ちゃんってそういう服も着るんだね……?いつも、もっとふわふわした女の子っぽい服着てるけど……」
 今の玲奈ちゃんの服は、上は暖色系のニットに、下はシンプルなグレーのタイトスカート。確かに玲奈ちゃんっぽい組み合わせだが、もう少し高級そうな服を着ていたイメージがあるのだが……今はどちらかというとシンプルさが売りの、しま○らや○ニクロで売っていそうな感じの服だ。玲奈ちゃんのスタイルだから、まあ悪く見えるわけではないのだが。
「あ、はは……そこに気づきますか……なんで彼女いない歴=年齢なのにそんな細かいところに気づくんだコイツは……」
「ん?何か言った?」
「あ!いえいえ、なんでもありません!女物の服がなくてついさっきそこで買ってきたもので」
「え、女物の服がないって……?」
「まあまあ!細かいことは気にせず~。それより、一緒にゲームでいいんでしたよね?」
 玲奈ちゃんはにっこりと笑うと言った。
「へっ??」
「ほら、さっき一緒にゲームしたい、って言ってたじゃないですか」
「さっき……?言ったっけ?」
「言いましたよ~。いつも通りこれでいいですか?」
 そういうと玲奈ちゃんは、俺が最近聖也とやっているゲームを手にとって言った。
「あ、ああ……じゃあやろうか。玲奈ちゃん、ゲームできるの?意外……」
「あ、あー……多分いつもはしないんですけど、今日は出来そうな気がするんですよね」
「多分……?」
 俺はここに来て思い当たった。なるほど。わかったぞ。玲奈ちゃん、かなり天然……というか、変わった子なんだな。なんとなく、自分だけが玲奈ちゃんの意外な側面を知っているような気になり、俺はまんざらでもない気分になった。

***

「あっ……ちょっと、そこっ!だめっ!待って待って、あっ、死んじゃうぅっ!」
「だめだよ、待たない……ほら!」
「あぁぁ、それだけはやめて……」
「はい、また俺の勝ちだね」
 玲奈ちゃんは悔しそうな顔をしてコントローラーを投げ出す。ゲームは時々は玲奈ちゃんが勝つが、流石に長年やりこんできただけあって、聖也ならともかく、玲奈ちゃんでは俺の相手にはならないようだった。
「むぅ……いつもだったら互角なのにな……この手、コントローラー持つには小さくて勝手がわからないんだよなぁ」
「え?」
「あー、こ、こっちの話です!ほら、コントローラーおっきいなと思って……」
「でも玲奈ちゃん、初めてにしてはすごい上手かったよ。どっかでこのゲームやったことあったの?」
「え!?あ、友達の家でやったことあります!これはウソじゃないです!」
 そうなんだ。どおりで。と、いうか……

「玲奈ちゃん……」
「はい、なんですか?」
「い、いや、何でもない……」
 また玲奈ちゃんの不思議なところを見つけてしまった。最初こそ正座してゲームをやっていた玲奈ちゃんだったが、ゲームに熱中するごとに玲奈ちゃんはあぐらをかき始めていたのだった。横から見ている分には分からないが、正面から見たら、その……下着が見えてるんじゃないだろうか。それにしてもタイトスカートであぐらはかきづらそうなのだが、クセなんだろうか?

「あっ、そうか……」
 玲奈ちゃんが何かに気づいたように呟き、こちらに向き直って正座した。お、ようやく自分があぐらをかいている事に気づいたか?
「太一先輩……」
 玲奈ちゃんが少し身を乗り出すようにして、大きな目で俺の顔をじっと見てきた。可愛い子にそんなに見つめられたことがない俺は、思わず気恥ずかしさから視線を逸らしてしまった。
「な、何?」
「太一先輩、私のその……オッパイ、揉んでみたいんですよね?」
「ぶっ!?」
 俺は思わず鼻水を噴き出した。何を言うかと思えば。
「そ、それ誰から聞いたの……?もしかしなくても聖也が言ってたの?」
「あー、ま、まあそうですね……で、でも私、その……」
「え……何……?」
 玲奈ちゃんが視線を逸らしながら言いにくそうに続ける。
「オッパイまでは私、覚悟してきましたから……揉まれること……」
「……!?」
 何を言っているんだこの子は。初対面だよ。何かがおかしいぞ。……わかったぞ。
「玲奈ちゃん……」
 俺は玲奈ちゃんの顔をぐっと見据えて言った。
「は、はい……」
「……聖也に何か、脅されてるのか?俺で良ければ相談に乗るよ?」
 一瞬呆気にとられた顔をした玲奈ちゃんが、急に立ち上がって叫んだ。
「馬鹿野郎!俺がそんな卑劣な手を使うと思うか!!」
「えっ……玲奈ちゃん?」
「あっ……コホン……」
 戸惑う俺を見て玲奈ちゃんは座り直すと、
「……えー、聖也先輩ならそう言って怒ると思いますよ、と言いたかったんです。そんなこと、されてませんよ♡」
 そう言うと取って付けたように小首を傾げてにっこりと笑った。あざとい、と思いつつも全てが癒やされてしまうようだ。
「そ、そうなのか……じゃあ……」
「はい……太一先輩だから触らせるんですよ?特別ですよ?」
「は、はい……」
 思わず敬語になる俺。

「ほら……」
 玲奈ちゃんが、恥ずかしそうに目線を下に向けながらニットの胸を強調するように脇を締め、ぐっと突き出す。元々大きい玲奈ちゃんの胸が俺の目の前に突き出され、さらに大きく見える。ごくり、と生唾を飲み込みながら震える手を近づける俺。

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 ふゆん、と俺の中指が最初に玲奈ちゃんの胸に触れた。瞬間、ぴくっ、と玲奈ちゃんの身体が震える。
「ひっ……」
「ご、ごめん!大丈夫!?」
 条件反射的に謝ってしまう俺。
「すまん……人に胸を触られるなんて初めてだったのでな……」
「……初めてなんだ?」
 こんなに簡単に胸を揉ませるのに、意外なことを言う玲奈ちゃん。時々男言葉のようなものが出るのは、玲奈ちゃんのクセなんだろうか?しかし、俺は緊張と興奮でそれどころではなかった。今もまだ震える指先には、先ほどの玲奈ちゃんの柔らかい胸の感触が残っている。ん、柔らかい……?
「玲奈ちゃん、あの、もしかして……」
「ん、何……なんですか?」
「い、今ノーブラなの?」
「あぁ……そんなことですか……そうです、ノーブラですよ。このニットの下には何も付けてません」
「えぇ……」
 あまりにも堂々とした答えに、更なる返答に窮してしまう。
「女物の服を着るまではなんとかなったんですが、流石に女物の下着を着るのは恥ずかしくて……これもこっちの話ですが」
「女物の下着を着るのは恥ずかしいことなんだ……?」
 じゃあ、普段からノーブラなのか?とことん変わった子だな、と思いつつ俺はあることに気づく。
「え、じゃあ、その、下も……?」
「あー……そうですね。下も穿いてないです。女の子がトランクス穿くのもなんだか、と思いまして」
「そ、そりゃ女の子がトランクスは穿かないだろうけど」
「まあ、そんなことはいいから!ほら、もっと揉まなくていいんですか?彼女ができてゲームして、オッパイ揉むのが太一……先輩の夢だったんでしょう?好きなだけ揉むといいですよ」
 そう言うと、玲奈ちゃんは俺の手を取って自分の胸にグイグイ押し付けてくる。俺の手のひらに柔らかい感触が伝わってくる。俺の中で、何かが弾けるような感触がした。

「わわっ!」
 玲奈ちゃんが声をあげる。俺が玲奈ちゃんを床に押し倒したからだ。
「太一!……先輩、何するんですか!?」
「ここまで来たら決まってるだろ……?」
 言いながら俺は玲奈ちゃんのニットを下からまくりあげる。想像していたとおりの大きい、そして綺麗で張りのある玲奈ちゃんの乳房が視界に入ってくる。乳首は綺麗なピンク色で、ツンと立っている。
「「うぉっ」」
 俺と玲奈ちゃんが同時に声をあげる。ん、なんで玲奈ちゃんまで自分の胸を見て声をあげるんだ。
「次は下だ……」
 俺は玲奈ちゃんのタイトスカートのジッパーを下ろそうとする。
「な、何をするんだ!やめろ!!」
 思いがけず抵抗する玲奈ちゃん。
「男の部屋にノーブラノーパンで来て、自分からおっぱい触らせてそれで終わりになるわけないだろ……!」
「揉むだけでいいって言ってただろ!」
 言い争っているうちに、玲奈ちゃんのスカートが下ろされる。言ったとおり下着は穿いていない。すなわち――玲奈ちゃんの下半身が露わになる。すらりとした脚、程よく肉の付いた太もも。肌の質感は思わず触れたくなるような、柔らかく健康的な色の肌だ。そして、その両足の付け根には――
「おお……」
 俺はごくりとつばを飲む。玲奈ちゃんもなぜか自分の下半身をまじまじと見つめていたが、はっと我に返ると俺に言う。
「太一……先輩!胸は揉んでもいいです!けど、男とセックスだけは勘弁してください!お……私にそういう趣味はないんです!」
「え、玲奈ちゃん、レズなの……?」
「う……えぇい、この際そういうことで!そう、私はレズなんですぅ!女の子が好きなんです!」
 そうか……意外だ。それで時折、男言葉が出るんだろうか?
「……でも、そう言われてもここまで来てしまった以上俺も引き下がれないし……」
「本当に勘弁してください!なんでもしますから!」
 そう言われて俺の目がきらりと光る。
「何でも……?今、『何でもする』って言ったよね?」
「え……?は、はい……」
「じゃあ、まずそのニット……全部脱いでもらっていいかな?」
「何をする気ですか……」
「いいからいいから。なんでもするんでしょ?」
「……わかりました。でも……セックスだけは勘弁して下さいね?」
「わかってる……」
 観念したようにニットを脱ぎ、生まれたままの姿になる玲奈ちゃん。言ったとおり、本当に下には何も付けていなかったようだ。

「おお……」
 想像した以上に均整の取れたプロポーションと、大理石のようにシミひとつない肌に、思わず俺はため息を漏らす。俺の股間は既に最高潮まで充血しきっていた。
「……脱ぎましたよ。これで許してもらえますか?」
 胸を手で隠して恥ずかしそうにしながらも、チラチラと自分の身体を盗み見るように見ている玲奈ちゃん。自分の身体など見慣れているはずなのに、そんなに気になるのだろうか。
「うん。……じゃあ、ここでオナニーしてもらえるかな?」
「へっ!???」
「セックスは諦めるよ。でもさ、オナニーしてくれれば……俺、玲奈ちゃんのその姿を見ながらイけると思うんだ……」
「ちょ、ちょちょ、ちょっと待って!!それは恥ずかしすぎる!!」
 玲奈ちゃんは両手をバタバタと振りながら答えた。
「……さっき、何でもするって言ったじゃん……」
「それは言ったけど!そんなのもう実質セックスと同じようなもんだろ!」
「全然違うし!じゃあむしろセックスしてくれよ!……それに」
「……それに?」
「玲奈ちゃん、さっきから自分の身体チラチラ見てるだろ?それで俺、気づいちゃったんだ」
「……!!バレちゃったのか……」
「ああ」
 玲奈ちゃんは観念したようにしゅんとなった。案の定だ。俺は勝ち誇ったように続ける。
「玲奈ちゃん、自分の身体で興奮しちゃうナルシストなんだろ?」
「……?」
「とぼけなくってもいいんだよ?別に恥ずかしいことじゃない。そのプロポーションなら、自分で興奮しちゃうのもわかるよ」
「……鈍感だと思っていたが、ここまでとは……」
「え?」
「あ、こっちの話です……それで、どうしたらいいんですか……?」
「簡単な話さ。そこに姿見があるだろう?あそこで自分の身体を見ながらオナニーするんだ」
 ごくり、と玲奈ちゃんが喉を鳴らす音がする。玲奈ちゃんが答える。
「しょ、しょうがないなあ……じゃあ、この身体でオナニーしちゃおうかな……」
 そう言うとのろのろと姿見の方へ向かう。

「おぉっ……これは……」
 鏡に映った自分自身を見て、玲奈ちゃんは男のような表情で自分を舐め回すようにしばし見つめていた。やっぱりナルシストじゃないか。
「さあ、玲奈ちゃん。早くいつも自分でしているみたいにオナニーしてごらん?」
「いつも……自分で……」
「そう、自分で」
「とはいえ……女の子の身体でオナニーするの、初めてだからなぁ……」
「えっ」
「い、いや何でもないです!冗談ですっ!」
 玲奈ちゃんはそういうと、「体育座り」のような姿勢をとり、そこから足を徐々に開いていった。
「おお……こうなっていたのか……なんか変な感じだ……んっ!」
 筋に沿うようにして物珍しそうに自分の性器に指を這わせていた玲奈ちゃんだったが、快感を感じたのか、目を一瞬きゅっと閉じて身体全体をビクン、と震わせる。徐々に顔が紅潮していくのが俺からも見て取れた。
「それじゃ、俺も……」
 カチャカチャとズボンを脱ぐと、早速俺は玲奈ちゃんを見ながら自分のモノを扱き出した。
「太一……先輩、見られてるのすごく恥ずかしいです……」
「玲奈ちゃん、感じてる姿可愛いから大丈夫だよ」
「ば、馬鹿野郎……」
「ほら、オナニーに集中して?」
「うう……」
 言われて玲奈ちゃんは自慰行為に戻る。徐々に濡れてきたようで、自分の愛液をぬらぬらと伸ばすようにして性器をさすっている。
「こっちはどうかな……男でいうとチンコにあたるんだよな?……ひぃぁんっ!!!」
 チンコ、などという言葉を玲奈ちゃんが発したことに俺は興奮してしまうが、当の玲奈ちゃん本人はクリトリスを恐る恐る触って、これまでにない快感を得たようだ。いちいち反応が初々しいのだが、本当にオナニーしたことないのだろうか?そのまま、愛液で濡れそぼった指で玲奈ちゃんはウットリした目つきでクリトリスへの刺激を続けている。本当に扇情的な光景だ。

「あぁ、ひぅっ、い、きもち、いい、よぉ……これ、つまむと……ひゃぁぁん!ぁぁん!ゃぁん!」
 隣まで聞こえるのではないかと思うぐらいの甲高い声で喘ぎながらクリトリスを親指と人差し指で器用につまみ、夢中で指を動かす玲奈ちゃん。その光景に俺の興奮は最高潮まで達していた。……そうだ。俺は顔を紅潮させ、夢中になってオナニーを続ける玲奈ちゃんの後ろにあぐらをかいて座り、右手で自分のものを扱きながら左手で玲奈ちゃんのおっぱいを揉みしだいた。
「あふっ、な、なにするんだよぉっ」
「玲奈ちゃん、おっぱいは揉んでいい約束だったろ?」
「こ、このじょうきょうで、もむなんて、きいてな、あっぁあん!ゃぁぁん!」
 抗議する玲奈ちゃんの乳首を少し摘むと、玲奈ちゃんは身を捩らせて快感にもだえた。それでもクリトリスを弄る指は一向に止まらない。
「どう、玲奈ちゃん、気持ちいい?」
「きもちいい、おんなのからだ、きもちいいよぉっっ、おかしくなりゅぅっ!」
「玲奈ちゃん、俺イキそうだよ……一緒にイこう?」
「いやだぁ、それは嫌ぁっ、でもおれもいきそうっ……ひぅっ……あぁぁんっ」
「ほら、鏡見てごらん」
「え、鏡……?」
 玲奈ちゃんがクリトリスを弄りながら鏡をもう一度見る。そこには、目に涙をいっぱいに溜め、全身をピンク色に染めながらオナニーにふけり、後ろから男に胸を揉まれる女子大生――佐藤玲奈の痴態が映し出されていた。

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「あっ、あっ、これ、おれなの、れなちゃん、れなちゃん、イく、イッちゃうぅぅぅっっっ!」
まるで放たれる前の弓のように玲奈ちゃんの身体がえび反りになると、ビクッ、ビクッと自分の名前を呼びながら玲奈ちゃんは絶頂を迎えた。それを見た俺も、ほぼ同時に精液を――玲奈ちゃんの背中に向けてぶちまけたのだった。

***

「太一、本当に最悪だよ……もう二度と来ないからな」
 シャワーを浴び、服を着ると玲奈ちゃんは頬を膨らませながらそう言った。絶頂を迎えた後、しばらく起き上がることもできずに余韻に浸っていた玲奈ちゃんだったが、背中に精液をかけられていたことを知ると激怒しながらシャワーに入ったのだった。
「ごめんって……でも、気持ちよさそうだったじゃん……玲奈ちゃんも」
 それに、俺のこと「先輩」じゃなく「太一」って、名前呼びになってるしな。これは脈アリなんじゃないかな?
「それでも最初はゲームして胸を触るって約束だっただろ!帰る!」
「ま、待って!また会えるかな?」
「あー……それについて言っとくと、もし『私』に学校で話しかけて、今日のこと喋っても私はとぼけますからね、そしてもう一生先輩と関わることはないですから!」
「つまり、これは二人だけの秘密……?」
「ふ、二人だけどころか、『私本人』も今日のことは忘れますから!絶対にしゃべらないでくださいね!」
「わ、わかったよ……」
「それじゃ!」
 玄関口へ向かう玲奈ちゃん。それを追って見送る俺。閉まるドア。

「ぎゃっ!」
 悲鳴のような声が聞こえて、思わずドアを開けると、玲奈ちゃんが玄関先で盛大に転んでいた。どうやら、ハイヒールでバランスを崩して転んだらしい。
「玲奈ちゃん、大丈夫……」
「だ、大丈夫ですから!お気になさらず!」
 ヨチヨチとした足取りで生まれたての仔鹿のように歩く姿はとても大丈夫とは思えなかった。高いヒールを履くのに、慣れていないのだろうか……。女の子なのに?そう思いながら俺はドアを閉めると、玲奈ちゃんの痴態を思い出し、何回か抜くうちにいつしか眠ってしまった。

***

「……と、いうことがあったんだよ。聖也、なんで顔を覆ってるんだ?」
 年末。年越し。俺はいつもの歌番組を見ながら、聖也にあの日あったことを語っていた。
「……いや、何でもない。良かったじゃないか……」
 なぜか聖也はあの夜あった話をしても終始仏頂面、玲奈ちゃんのオナニーシーンの話をしても顔を赤らめるばかりだ。
「聖也、もしかして俺に嫉妬してるのか……?」
「するか!馬鹿!」
「まあいいや。それで、学校で玲奈ちゃんに会った時、不思議な事に気づいたんだよ」
「ふ、不思議なこと?玲奈ちゃんに何か話したのか?」
「いや、普通にあの時より高いヒール履いててさ。別に転んでなかったから、『ハイヒール履くの慣れたんだね?』って声かけたんだ」
「……玲奈ちゃんは何か言ってたか?」
「不思議そうな顔して、首を傾げちゃってさ。あの時言ってたとおり、あの日のことは忘れたことにしたいんだろうなぁ」
「……そりゃそうだろうな」
「でも、また来年のクリスマスも来てくれそうだぞ?」
「えっ」
「俺がさ、『お世話になりました。来年もよろしく!』って言ったらさ、ニッコリして、『こちらこそ。来年もよろしくお願いしますね』って言ってくれたんだよ!」
「……いや、多分それは違う意味だと思うぞ……」
「そんなこと聖也には分かんないだろ!あの時の玲奈ちゃんはエロくてさあ……」
「だからその話はやめろ!!」

また今年も、暮れていく。

「TS風俗」で、俺が女になる側だったお話。

「『TS風俗』か……珍しさにつられてつい頼んでみてしまったが」
 ラブホテルの一室でそう語るのはリョウ。社会人になって金ができたのをいいことに、給料とボーナスの大半をつぎ込んでソープ、デリヘル、様々な女遊びを楽しんできた。一通り試してみて少し普通の遊びに飽きてきたこともあり、たまたまネットで見つけた「TS風俗」と銘打つサイトで申し込みをしてみたのだった。
 TS。リョウもなんとなく調べてみて知っている。「男が女になってしまう」というシチュエーションのことだ。
「そんなの現実にあるわけないしな……ま、よくあるプレイの一貫だろうけど、男勝りな女の子を抱いてみるのも面白いかな」
 そうつぶやいていると、部屋のノックの音がした。
「来たか。結構早かったな」
 リョウは手慣れた手つきでドアを開けると、そこには20代半ばから後半ぐらいの青年が立って微笑んでいた。
「えっと……」
 リョウは困ったような顔をした。部屋を間違えているのだろうか。俗に言う「イケメン」と言っても差し支えない容姿をした青年は微笑みながら言った。
「お待たせしました。『TS風俗』のジュンと申します」
「ああ……」
 リョウは察した。こういった風俗店では、初めての客の様子を確認するため「遊び方説明」と称して店の若い者を派遣し、その後に女の子がようやくお目見えするという形式の店がある。
 では、さっさと説明してもらうとするか。そう思っているとジュンと名乗る青年が言った。
「お名前は?」
「ああ……リョウです」
「リョウ『ちゃん』ですか。可愛い名前ですね」
「はぁ?」
 リョウは怪訝な顔でジュンの方を見た。こいつ、何のつもりだ?馬鹿にされているのか?抗議しようと口を開きかけると、その口をジュンの口が塞いだ。
「……!!!」
 男にキスされたという怒りの前に、意味不明な事態に陥っていることへの困惑と驚きが勝って、リョウは目を見開いたまましばし固まって、ジュンの舌が自分の唇、舌、歯茎を丁寧に舐めるのを感じていた。
「ぷはっ……ば、馬鹿!何するんだよ!!」
「すみません。リョウちゃんがあまりにも可愛いので、つい」
「俺はホモじゃない!」
「ホモ……?」
ジュンは微笑みながら少し首を傾げた。
「男と男が、き、キスなんてしたら完全ホモだろ!気持ち悪い!」
「……でもリョウちゃん、女の子ですよね??」
「はっ!?俺のどこが女の子に、見えるって……」
 そう言い終わらないうちに俺は絶句した。
 いつのまにか、目の前のジュンを見上げるような感じになっている。ジュンの身長が大きくなったのか。いや、違う。自分の身長が縮んでいるのだ。それどころか。
「な、なんで俺が女物の服を着てるんだ!?」
 会社帰りのリョウはさっきまで当然、男物のスーツを着ていたはずだ。それが今は女物のタイトスカートにフリルのついた白いシャツ、まるで新人のOLみたいな服を着ている。リョウは思った。手品か何かか?
「ご丁寧に、詰め物まで……」
「詰め物?たしかに大きい胸だけど、詰め物なんですか?」
「当たり前だ!この……」
 リョウはブラジャーを付けて締め付けられる感触を上半身から感じながら、中に入っている詰め物を取ろうとして、シャツを脱ぎ、ブラジャーを外す。ぷるん、という音がするかのようにリョウのたわわな胸が外気に晒され、震える。
「え?……ええ??」
「自分から脱いでくれたんですね。リョウちゃん、本当に大きくて綺麗なおっぱいですね」
 ジュンはそう言いながらリョウの乳首を軽くつまむ。
「ひゃぁん!」
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「感度も良好、と。じゃ、早速ベッドの方に行きましょうか」
 そう言いながらジュンは手慣れた手つきでリョウをベッドの方に追いやり、押し倒す。
「こ、こんな……俺はTS風俗に……」
「そうですよ、だからリョウちゃん、女の子になっちゃったんでしょ?」
「俺が女の子になるなんて、聞いてなっ……ひゃぅぅん」
 言い終わる前にジュンがリョウの乳首をぺろぺろと舐める。空いた手でリョウのもう一方の乳首をツンツンと刺激する。
「ひゃぁぁぁん、やめ、やめろぉ」
 言ってもまったく止める気配のないジュン。
「やば、あ、な、なんか来るぅっ!」
 リョウの白い肢体がうっすらと桜色に染まり、ヒクヒクと小さく小刻みに痙攣する。
「あらら、乳首だけでイッちゃったんですか?エッチな娘ですね……♡」
「うう……見るなぁ……」
 女として絶頂を迎えたのを見ず知らずの男に見られてしまったリョウは火照った顔を相手に見せまいと片手で顔を隠す。
「大丈夫ですよ。女の子の気持ちいいところ、これからが本番ですよ?」
「え、え、それって」
「さ、下も脱がせてあげますよ」
「ちょ、ちょっと!」
 するするとリョウが履いていたタイトスカートを脱がせていくジュン。フリルの付いた水色と黒の下着が露わになる。
「わぁ、可愛い下着ですね」
「お、俺が履いたわけじゃない!見るなぁ!脱がすなぁ!」
「ほら、大人しくしないと下着、破れちゃいますよ?」
 ゆっくりと下着を脱がせにかかるジュン。最初は下着を押さえて抵抗していたリョウだったが、観念したのか大人しくなる。
「……わぁ、本当に綺麗な身体ですね。興奮してきちゃいますよ」
「な、なんでこんなことに……恥ずかしい……」
 リョウは両手で真っ赤になった顔を覆い、秘部を足で必死に隠そうとする。
「リョウちゃん、ほら、こっち見てください」
「え……ひぃっ!?」
 リョウが顔を覆っていた手を恐る恐るどけると、そこにはよく見慣れた――と言っても「自分のモノではないモノ」をこんなに間近で見る機会は今までなかったが――男のモノがしっかりと勃起していた。
「リョウちゃんのエッチな身体見てたら、こんなになっちゃいました。大きいでしょ?」
「え、あ、やだ、怖い」
「今からこれがリョウちゃんの中に入っていきますからね~」
「嫌だ、そんな大きいの、入らない」
 自分が男だと言うことも忘れて涙目でイヤイヤをするリョウ。
「大丈夫ですよ。リョウちゃんの膣内は僕のモノが一番気持ちよく感じるように最適化されてますから。相性は100%、抜群です」
「や、やぁ、やめっ……うぁぁん!」
 ズブズブとリョウの中までジュンがゆっくりと挿入していく。リョウの股間から腹の内部にかけて、男だったときには感じたことのない異物感が広がっていく。
「あぁ……全部入りました。嫌だとか言って、下の方は受け入れ体制万全ですけど?リョウちゃんの中、すごくトロトロで気持ちいいです」
「う、嘘だ、そ、そんなこと……」
「ほら、挿れてるそばから溢れてきてますよ、エッチなお汁が」
 ジュンがリョウの目の前に、つまんだ指を持ってきてゆっくりと親指と人差し指を開く。ネバネバとした透明な液が、ゆっくりと糸を引いた。
「お、俺、男なのに」
「男だったらこんなエッチなお汁、沢山出しませんよ~」
 ジュンが笑いながら言うと、ふと優しい顔になって続ける。
「大丈夫ですよ、リョウさん。僕、優しくしますから。女の子の気持ちよさ、身体中で感じちゃってください♪じゃ、動きます」
「そんな、あ、あぁぁぁん!ぁぁん!あん!」
 言うか言わないかのうちに、ゆっくりとした動きでジュンが前後への抽送を始める。ジュンが中で動くのに合わせて、膣内のあらゆる部分が刺激されて快感へと昇華されていく。これまで感じたことのない快感がリョウの中を支配し、リョウは自分でも知らないうちに女の嬌声をあげていた。
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「リョウちゃん、どうですか、気持ちいいですか?」
 ゆっくりと前後に動きながら、ジュンが優しい声で言う。
「あっ、あぁぁん、うん、あっ、きもちいい、きもちいい」
「そうですか、気持ちいいんですね……じゃあ、もっと気持ちよくしてあげます」
「ひゃぁぁ、あああん!それ、やばい、からぁ!」
「わかりますか?今触ってるのが、リョウちゃんのクリトリスですよ」
「ひゅごい、おとこなのに、くりとりすきもちいいよぉっ、あぁぁ、あん」
「今は女の子なんですよ……♡」
 ジュンは女の身体を知り尽くしている、とでも言った調子で、前後に動きながら優しくリョウのクリトリスをこね回す。
「これなにっ、すごいっ、あぁぁんっ、またイキそうっ、やばいよぉっ」
「イッていいんですよ、リョウちゃん♪……僕もイキそうなんで、中に出しますね♡」
「えっ、あぁぁん、なか、なかはだめ、赤ちゃんできちゃうから、ぁああっ、あ、あぁあん!」
 ジュンのモノが自分の中で脈打ち、ドクドクと自分の中に熱い精液が注がれていくのを感じながら、 リョウは頭の中が快感で埋め尽くされ、真っ白になっていった。



「どうでしたか、リョウちゃん?初めての女の子エッチは?」
「う、うん……すごかった……」
 自分の乱れる様子を思い出して赤くなりながら、リョウはジュンの胸の中に抱かれていた。
「嬉しいです。リョウちゃん感じやすいみたいですね♪最後、気を失っちゃうなんて」
「そ、それはジュンさんが上手くて……」
「リョウちゃんの中が気持ちよかったから、頑張っちゃいましたよ♡」
「あ、ありがと……う……?」
「あはは。随分素直になりましたね?」
「うう……」



 シャワーを浴びて、服を着たところでジュンが言った。
「それじゃ、そろそろ時間ですね。本日はありがとうございました」
「ね、ねえ、ジュンさん……」
「何でしょう?」
 リョウは言い出しにくそうにしながら、意を決したように言う。
「わ、『私』、……本当にジュンさんのこと、好きになっちゃったみたいで……」
「……ふふ、すっかり女の子『みたい』ですね?」
 リョウは一瞬びっくりしたような顔をしたあと、軽くジュンを睨みつける。
「誤魔化さないで!……また会ってくれますか?」
「うん、また会おう♪僕の方も、本当に好きになっちゃうかも」
 そう言って、よしよしとリョウの頭を撫でるジュン。
「……じゃあ」
「うん?」
「ジュンさん、もう一回だけキスして……」
「もちろん」
「嬉しい。んっ……」
 最初のキスとは違う味の濃厚なキスに、リョウも舌を絡ませて応戦する。
 お互い唇を離すと、リョウが言った。
「じゃ、また会えるのを楽しみにしてるね」
「……うん!絶対またお願いするから……」



 ドアが締まって、先ほどのキスの味を確認しようとしたところで、
「あ、元に……戻ってる」
 リョウは元の男物のスーツを着ている自分に気づく。
「そっか、私……じゃない。俺……男だったな」
 ふーっ、と一息ついて、帰り支度を始めながら、リョウが誰に言うでもなく呟いた。
「また……女になってみたいかもな」
 その後リョウがTS風俗に足繁く通うようになるのはまた別のお話。



 一方のジュン。帰り道であたりを確認する。ジュンが短髪のはずの髪を、ふっ、と女性のようにかきあげるような仕草を見せると、たちまちのうちにジュンが変化を始め、一瞬でセクシーな美女へと変貌を遂げた。ジュンが呟くように言った。
「昔は私も、お客さんだったんだけどね……。TS風俗にハマって、気がついたらそのまま女の子として暮らしたいと思ってたんだよね。そうしたら店長から誘われて、TS風俗のお店の子として働き始めたんだっけ。……今度はまさか、普段は女の子、お仕事のときだけ男に戻って女の子を抱く側に回るなんて思ってもみなかったけど……たしかに、女の身体のことを知り尽くしている男だから、今日のリョウちゃんも気持ちよさそうだったなぁ……リョウちゃんも素質ありそうだったから、同じ道をたどるのかな?」
 ところで、あの店長は何者なんだろうか。ジュンは何度めかの同じ疑問を心の中で思ったが、それも一瞬のことだった。
「さて、折角手に入れた女の身体だもん、今日も気持ちよくなりますか……♡」
 そう言うと、ジュンは夜の闇へと消えていった。

変身のメリークリスマス

「……ああ、それにしても彼女が欲しい。クリスマス・イブ。世間では恋人たちが愛を深め、幸せな一日を過ごす日だというのに俺は親友の聖也と二人、することもなく俺の家でいつものようにゲームに興じていたのだった。男二人で気兼ねなく過ごすのもいつもなら悪くはないが、今宵だけは違う。ああ……彼女が欲しい」
「太一、変なナレーションみたいことをいきなり言うのをやめてもらっていいかな?」
「え!?いま俺、声に出てた!?」
「……ああ、彼女が欲しいという切実な思いの独白だったな」
 そう言うと聖也は、メガネ越しに俺の方を憐れむような目つきで見つめた。
「なっ、なんでお前がそういう目で見てくるんだよ!お前だって彼女いねーだろうが!」
「……まあ、今はそうなのだが」
 彼女いない歴=年齢でもちろん童貞の俺とは違って、聖也は痩せ型のイケメンメガネ男子、といった風貌で、一部の女子からは結構な人気があるというのを耳にしたことがある。それでも、元来から真面目な性格をしている聖也は「本当に信頼できる女性としか付き合わない」とかいう理由で、過去にも俺の知る限り1人しか付き合ったことのある女の子はいないはずだった。しかも「信頼できる女性」を探しておきながら、昔から人の言うことを信じ込みやすい性格をしているから、致命的に女を見る目がなかった。唯一聖也が付き合ったその女の子はどう考えても「遊んでいる」感じの風貌で、案の定付き合って一年でその女の子が二股、いや三股していることが発覚して夏に別れたばかりだったのだった。

 いや、今はそんなことはどうでもいい。俺は大きくため息をつくと、ゲームのコントローラーを放り投げてベッドに大の字に寝そべり、ジタバタと手足を動かした。
「ああ~~もう、彼女欲しい彼女欲しいよ、彼女が欲しい~~」
「駄々っ子みたいだな……。彼女を作って、何がしたいんだ?」
「贅沢は言わない……一緒にゲームやれればいい……あと……」
「……あと?」
「ちょっとオッパイ揉ませてくれるだけでいいから……」
「……」
「ああ、神様……サンタ様……一日でいいから彼女を俺にください……」
「女なら誰でもいいのか?」
「いや、できれば玲奈ちゃんみたいな感じがいい……」

 佐藤玲奈ちゃん。俺達の大学の語学クラスでよく見かける女の子で、学年は1つか2つ下、といったところだろうか。いつも口元に笑みを絶やさない少し垂れ目で小動物系のほんわか系美人だ。
 少しだけふんわりとカールのかかったセミロングの黒髪も魅力的だが、それよりも150センチ台の身長ながら、ニットの胸元を押し上げる2つの膨らみがクラスの男子の視線を釘付けにしていた。
 俺も例外ではなく彼女の容姿に見とれていたのだが、一度彼女と目が合ったときなどは、どぎまぎしてしまった。他の女子なら気持ち悪いものを見るような目線を投げ返してこようものを、俺と目が合って恥ずかしそうにはにかむ笑顔も玲奈ちゃんの性格の良さを表しているような気がしていた。

「玲奈ちゃんか……それは高望みしすぎでは……」
「そんなことないって!この前俺に笑いかけてくれたもん!」
「……うーむ」
 聖也は何か考え込んでいるようだった。時々聖也は俺に何か隠し事をしているのではないかと思うことがある。男同士の仲で水臭い。聖也はしばらく間を置いてこう言った。
「太一、すまん。用事を思い出した。今日はここで失礼する」
「……はぁっ!?ちょ、クリスマスを俺一人にする気かよ!?……はっ!さてはお前、本当は彼女がいて、これから彼女と性なる夜を迎えるのでは……」
「いや、そんなことはない……ないのだが、やはり今日はここで失礼する。……それで、お前が彼女としたいことは本当に一緒にゲームをやって、その……胸を揉むだけでいいんだな?」
「へっ?……あ、ああ……そうだよ」
「それで、玲奈ちゃんがお前の好みなんだよな?」
「そうだけど……そんなこと確認してどうするんだよ?」
「いや、聞いておくだけだ。……その願い、叶うといいな。それじゃ」
「ちょ、ちょっと!」

 聖也は有無を言わさず玄関で靴をさっさと履くと、俺の引き止める声も無視して帰ってしまった。
「薄情者……あんなやつ、絶交だ……」
 俺はベッドで再びうつ伏せに寝そべりながら枕を涙で濡らしていたが、いつの間にか眠ってしまったようだった。

***

「……ぱい、先輩!先輩!太一っ!」
 女の子が俺を呼ぶ声で目が覚めた。いかんいかん、眠ってしまったようだ。って、女の子?
 寝ぼけまなこで横を見て、俺は驚愕で目を見開いた。すぐに身を起こし、ベッドにそのまま正座する。
「れ、玲奈……いや、佐藤さん!?」
 いつも遠くから見つめるだけで話しかけたことなど一度もない。玲奈ちゃん――佐藤玲奈がそこにいた。腰に手を当てて立ち、こちらを柔らかい表情で見つめている。相変わらずニットを押し上げる胸が目立つ。俺はベッドに正座しているので、目の前に玲奈ちゃんの胸があるような形になってしまった。って、距離近くないか!?
「やっと起きましたか。玲奈、でいいですよ。……先輩、って呼んでもいいですか?」
「あ、ああ……って、そうじゃない!玲奈ちゃん、どうしてここに……?」
 俺はようやく玲奈ちゃんの胸に釘付けになっていた視線をはずし、疑問を口にした。
「どうしてここに、じゃありませんよ……えーっと……」
「……?」
 少し考えた風な玲奈ちゃんが、今思いついたと言うように言った。
「そう!お……聖也先輩が、一人で寂しくクリスマスイブにゲームしている太一先輩を慰めてあげてって言うから来たんですよ?」
「聖也がそんなこと言ってたのか……聖也、玲奈ちゃん、ありがとう……」
 俺は聖也に心から感謝した。玲奈ちゃんをどうやって言いくるめたか知らないが、二人で過ごすためにアイツは帰ってくれたんだな。しかし、はて……?

「うーん……?」
「ど、どうかしましたか……?」
 玲奈ちゃんが怪訝そうに言う。
「いや、玲奈ちゃんってそういう服も着るんだね……?いつも、もっとふわふわした女の子っぽい服着てるけど……」
 今の玲奈ちゃんの服は、上は暖色系のニットに、下はシンプルなグレーのタイトスカート。確かに玲奈ちゃんっぽい組み合わせだが、もう少し高級そうな服を着ていたイメージがあるのだが……今はどちらかというとシンプルさが売りの、しま○らや○ニクロで売っていそうな感じの服だ。玲奈ちゃんのスタイルだから、まあ悪く見えるわけではないのだが。
「あ、はは……そこに気づきますか……なんで彼女いない歴=年齢なのにそんな細かいところに気づくんだコイツは……」
「ん?何か言った?」
「あ!いえいえ、なんでもありません!女物の服がなくてついさっきそこで買ってきたもので」
「え、女物の服がないって……?」
「まあまあ!細かいことは気にせず~。それより、一緒にゲームでいいんでしたよね?」
 玲奈ちゃんはにっこりと笑うと言った。
「へっ??」
「ほら、さっき一緒にゲームしたい、って言ってたじゃないですか」
「さっき……?言ったっけ?」
「言いましたよ~。いつも通りこれでいいですか?」
 そういうと玲奈ちゃんは、俺が最近聖也とやっているゲームを手にとって言った。
「あ、ああ……じゃあやろうか。玲奈ちゃん、ゲームできるの?意外……」
「あ、あー……多分いつもはしないんですけど、今日は出来そうな気がするんですよね」
「多分……?」
 俺はここに来て思い当たった。なるほど。わかったぞ。玲奈ちゃん、かなり天然……というか、変わった子なんだな。なんとなく、自分だけが玲奈ちゃんの意外な側面を知っているような気になり、俺はまんざらでもない気分になった。

***

「あっ……ちょっと、そこっ!だめっ!待って待って、あっ、死んじゃうぅっ!」
「だめだよ、待たない……ほら!」
「あぁぁ、それだけはやめて……」
「はい、また俺の勝ちだね」
 玲奈ちゃんは悔しそうな顔をしてコントローラーを投げ出す。ゲームは時々は玲奈ちゃんが勝つが、流石に長年やりこんできただけあって、聖也ならともかく、玲奈ちゃんでは俺の相手にはならないようだった。
「むぅ……いつもだったら互角なのにな……この手、コントローラー持つには小さくて勝手がわからないんだよなぁ」
「え?」
「あー、こ、こっちの話です!ほら、コントローラーおっきいなと思って……」
「でも玲奈ちゃん、初めてにしてはすごい上手かったよ。どっかでこのゲームやったことあったの?」
「え!?あ、友達の家でやったことあります!これはウソじゃないです!」
 そうなんだ。どおりで。と、いうか……

「玲奈ちゃん……」
「はい、なんですか?」
「い、いや、何でもない……」
 また玲奈ちゃんの不思議なところを見つけてしまった。最初こそ正座してゲームをやっていた玲奈ちゃんだったが、ゲームに熱中するごとに玲奈ちゃんはあぐらをかき始めていたのだった。横から見ている分には分からないが、正面から見たら、その……下着が見えてるんじゃないだろうか。それにしてもタイトスカートであぐらはかきづらそうなのだが、クセなんだろうか?

「あっ、そうか……」
 玲奈ちゃんが何かに気づいたように呟き、こちらに向き直って正座した。お、ようやく自分があぐらをかいている事に気づいたか?
「太一先輩……」
 玲奈ちゃんが少し身を乗り出すようにして、大きな目で俺の顔をじっと見てきた。可愛い子にそんなに見つめられたことがない俺は、思わず気恥ずかしさから視線を逸らしてしまった。
「な、何?」
「太一先輩、私のその……オッパイ、揉んでみたいんですよね?」
「ぶっ!?」
 俺は思わず鼻水を噴き出した。何を言うかと思えば。
「そ、それ誰から聞いたの……?もしかしなくても聖也が言ってたの?」
「あー、ま、まあそうですね……で、でも私、その……」
「え……何……?」
 玲奈ちゃんが視線を逸らしながら言いにくそうに続ける。
「オッパイまでは私、覚悟してきましたから……揉まれること……」
「……!?」
 何を言っているんだこの子は。初対面だよ。何かがおかしいぞ。……わかったぞ。
「玲奈ちゃん……」
 俺は玲奈ちゃんの顔をぐっと見据えて言った。
「は、はい……」
「……聖也に何か、脅されてるのか?俺で良ければ相談に乗るよ?」
 一瞬呆気にとられた顔をした玲奈ちゃんが、急に立ち上がって叫んだ。
「馬鹿野郎!俺がそんな卑劣な手を使うと思うか!!」
「えっ……玲奈ちゃん?」
「あっ……コホン……」
 戸惑う俺を見て玲奈ちゃんは座り直すと、
「……えー、聖也先輩ならそう言って怒ると思いますよ、と言いたかったんです。そんなこと、されてませんよ♡」
 そう言うと取って付けたように小首を傾げてにっこりと笑った。あざとい、と思いつつも全てが癒やされてしまうようだ。
「そ、そうなのか……じゃあ……」
「はい……太一先輩だから触らせるんですよ?特別ですよ?」
「は、はい……」
 思わず敬語になる俺。

「ほら……」
 玲奈ちゃんが、恥ずかしそうに目線を下に向けながらニットの胸を強調するように脇を締め、ぐっと突き出す。元々大きい玲奈ちゃんの胸が俺の目の前に突き出され、さらに大きく見える。ごくり、と生唾を飲み込みながら震える手を近づける俺。
 ふゆん、と俺の中指が最初に玲奈ちゃんの胸に触れた。瞬間、ぴくっ、と玲奈ちゃんの身体が震える。
「ひっ……」
「ご、ごめん!大丈夫!?」
 条件反射的に謝ってしまう俺。
「すまん……人に胸を触られるなんて初めてだったのでな……」
「……初めてなんだ?」
 こんなに簡単に胸を揉ませるのに、意外なことを言う玲奈ちゃん。時々男言葉のようなものが出るのは、玲奈ちゃんのクセなんだろうか?しかし、俺は緊張と興奮でそれどころではなかった。今もまだ震える指先には、先ほどの玲奈ちゃんの柔らかい胸の感触が残っている。ん、柔らかい……?
「玲奈ちゃん、あの、もしかして……」
「ん、何……なんですか?」
「い、今ノーブラなの?」
「あぁ……そんなことですか……そうです、ノーブラですよ。このニットの下には何も付けてません」
「えぇ……」
 あまりにも堂々とした答えに、更なる返答に窮してしまう。
「女物の服を着るまではなんとかなったんですが、流石に女物の下着を着るのは恥ずかしくて……これもこっちの話ですが」
「女物の下着を着るのは恥ずかしいことなんだ……?」
 じゃあ、普段からノーブラなのか?とことん変わった子だな、と思いつつ俺はあることに気づく。
「え、じゃあ、その、下も……?」
「あー……そうですね。下も穿いてないです。女の子がトランクス穿くのもなんだか、と思いまして」
「そ、そりゃ女の子がトランクスは穿かないだろうけど」
「まあ、そんなことはいいから!ほら、もっと揉まなくていいんですか?彼女ができてゲームして、オッパイ揉むのが太一……先輩の夢だったんでしょう?好きなだけ揉むといいですよ」
 そう言うと、玲奈ちゃんは俺の手を取って自分の胸にグイグイ押し付けてくる。俺の手のひらに柔らかい感触が伝わってくる。俺の中で、何かが弾けるような感触がした。

「わわっ!」
 玲奈ちゃんが声をあげる。俺が玲奈ちゃんを床に押し倒したからだ。
「太一!……先輩、何するんですか!?」
「ここまで来たら決まってるだろ……?」
 言いながら俺は玲奈ちゃんのニットを下からまくりあげる。想像していたとおりの大きい、そして綺麗で張りのある玲奈ちゃんの乳房が視界に入ってくる。乳首は綺麗なピンク色で、ツンと立っている。
「「うぉっ」」
 俺と玲奈ちゃんが同時に声をあげる。ん、なんで玲奈ちゃんまで自分の胸を見て声をあげるんだ。
「次は下だ……」
 俺は玲奈ちゃんのタイトスカートのジッパーを下ろそうとする。
「な、何をするんだ!やめろ!!」
 思いがけず抵抗する玲奈ちゃん。
「男の部屋にノーブラノーパンで来て、自分からおっぱい触らせてそれで終わりになるわけないだろ……!」
「揉むだけでいいって言ってただろ!」
 言い争っているうちに、玲奈ちゃんのスカートが下ろされる。言ったとおり下着は穿いていない。すなわち――玲奈ちゃんの下半身が露わになる。すらりとした脚、程よく肉の付いた太もも。肌の質感は思わず触れたくなるような、柔らかく健康的な色の肌だ。そして、その両足の付け根には――
「おお……」
 俺はごくりとつばを飲む。玲奈ちゃんもなぜか自分の下半身をまじまじと見つめていたが、はっと我に返ると俺に言う。
「太一……先輩!胸は揉んでもいいです!けど、男とセックスだけは勘弁してください!お……私にそういう趣味はないんです!」
「え、玲奈ちゃん、レズなの……?」
「う……えぇい、この際そういうことで!そう、私はレズなんですぅ!女の子が好きなんです!」
 そうか……意外だ。それで時折、男言葉が出るんだろうか?
「……でも、そう言われてもここまで来てしまった以上俺も引き下がれないし……」
「本当に勘弁してください!なんでもしますから!」
 そう言われて俺の目がきらりと光る。
「何でも……?今、『何でもする』って言ったよね?」
「え……?は、はい……」
「じゃあ、まずそのニット……全部脱いでもらっていいかな?」
「何をする気ですか……」
「いいからいいから。なんでもするんでしょ?」
「……わかりました。でも……セックスだけは勘弁して下さいね?」
「わかってる……」
 観念したようにニットを脱ぎ、生まれたままの姿になる玲奈ちゃん。言ったとおり、本当に下には何も付けていなかったようだ。

「おお……」
 想像した以上に均整の取れたプロポーションと、大理石のようにシミひとつない肌に、思わず俺はため息を漏らす。俺の股間は既に最高潮まで充血しきっていた。
「……脱ぎましたよ。これで許してもらえますか?」
 胸を手で隠して恥ずかしそうにしながらも、チラチラと自分の身体を盗み見るように見ている玲奈ちゃん。自分の身体など見慣れているはずなのに、そんなに気になるのだろうか。
「うん。……じゃあ、ここでオナニーしてもらえるかな?」
「へっ!???」
「セックスは諦めるよ。でもさ、オナニーしてくれれば……俺、玲奈ちゃんのその姿を見ながらイけると思うんだ……」
「ちょ、ちょちょ、ちょっと待って!!それは恥ずかしすぎる!!」
 玲奈ちゃんは両手をバタバタと振りながら答えた。
「……さっき、何でもするって言ったじゃん……」
「それは言ったけど!そんなのもう実質セックスと同じようなもんだろ!」
「全然違うし!じゃあむしろセックスしてくれよ!……それに」
「……それに?」
「玲奈ちゃん、さっきから自分の身体チラチラ見てるだろ?それで俺、気づいちゃったんだ」
「……!!バレちゃったのか……」
「ああ」
 玲奈ちゃんは観念したようにしゅんとなった。案の定だ。俺は勝ち誇ったように続ける。
「玲奈ちゃん、自分の身体で興奮しちゃうナルシストなんだろ?」
「……?」
「とぼけなくってもいいんだよ?別に恥ずかしいことじゃない。そのプロポーションなら、自分で興奮しちゃうのもわかるよ」
「……鈍感だと思っていたが、ここまでとは……」
「え?」
「あ、こっちの話です……それで、どうしたらいいんですか……?」
「簡単な話さ。そこに姿見があるだろう?あそこで自分の身体を見ながらオナニーするんだ」
 ごくり、と玲奈ちゃんが喉を鳴らす音がする。玲奈ちゃんが答える。
「しょ、しょうがないなあ……じゃあ、この身体でオナニーしちゃおうかな……」
 そう言うとのろのろと姿見の方へ向かう。

「おぉっ……これは……」
 鏡に映った自分自身を見て、玲奈ちゃんは男のような表情で自分を舐め回すようにしばし見つめていた。やっぱりナルシストじゃないか。
「さあ、玲奈ちゃん。早くいつも自分でしているみたいにオナニーしてごらん?」
「いつも……自分で……」
「そう、自分で」
「とはいえ……女の子の身体でオナニーするの、初めてだからなぁ……」
「えっ」
「い、いや何でもないです!冗談ですっ!」
 玲奈ちゃんはそういうと、「体育座り」のような姿勢をとり、そこから足を徐々に開いていった。
「おお……こうなっていたのか……なんか変な感じだ……んっ!」
 筋に沿うようにして物珍しそうに自分の性器に指を這わせていた玲奈ちゃんだったが、快感を感じたのか、目を一瞬きゅっと閉じて身体全体をビクン、と震わせる。徐々に顔が紅潮していくのが俺からも見て取れた。
「それじゃ、俺も……」
 カチャカチャとズボンを脱ぐと、早速俺は玲奈ちゃんを見ながら自分のモノを扱き出した。
「太一……先輩、見られてるのすごく恥ずかしいです……」
「玲奈ちゃん、感じてる姿可愛いから大丈夫だよ」
「ば、馬鹿野郎……」
「ほら、オナニーに集中して?」
「うう……」
 言われて玲奈ちゃんは自慰行為に戻る。徐々に濡れてきたようで、自分の愛液をぬらぬらと伸ばすようにして性器をさすっている。
「こっちはどうかな……男でいうとチンコにあたるんだよな?……ひぃぁんっ!!!」
 チンコ、などという言葉を玲奈ちゃんが発したことに俺は興奮してしまうが、当の玲奈ちゃん本人はクリトリスを恐る恐る触って、これまでにない快感を得たようだ。いちいち反応が初々しいのだが、本当にオナニーしたことないのだろうか?そのまま、愛液で濡れそぼった指で玲奈ちゃんはウットリした目つきでクリトリスへの刺激を続けている。本当に扇情的な光景だ。

「あぁ、ひぅっ、い、きもち、いい、よぉ……これ、つまむと……ひゃぁぁん!ぁぁん!ゃぁん!」
 隣まで聞こえるのではないかと思うぐらいの甲高い声で喘ぎながらクリトリスを親指と人差し指で器用につまみ、夢中で指を動かす玲奈ちゃん。その光景に俺の興奮は最高潮まで達していた。……そうだ。俺は顔を紅潮させ、夢中になってオナニーを続ける玲奈ちゃんの後ろにあぐらをかいて座り、右手で自分のものを扱きながら左手で玲奈ちゃんのおっぱいを揉みしだいた。
「あふっ、な、なにするんだよぉっ」
「玲奈ちゃん、おっぱいは揉んでいい約束だったろ?」
「こ、このじょうきょうで、もむなんて、きいてな、あっぁあん!ゃぁぁん!」
 抗議する玲奈ちゃんの乳首を少し摘むと、玲奈ちゃんは身を捩らせて快感にもだえた。それでもクリトリスを弄る指は一向に止まらない。
「どう、玲奈ちゃん、気持ちいい?」
「きもちいい、おんなのからだ、きもちいいよぉっっ、おかしくなりゅぅっ!」
「玲奈ちゃん、俺イキそうだよ……一緒にイこう?」
「いやだぁ、それは嫌ぁっ、でもおれもいきそうっ……ひぅっ……あぁぁんっ」
「ほら、鏡見てごらん」
「え、鏡……?」
 玲奈ちゃんがクリトリスを弄りながら鏡をもう一度見る。そこには、目に涙をいっぱいに溜め、全身をピンク色に染めながらオナニーにふけり、後ろから男に胸を揉まれる女子大生――佐藤玲奈の痴態が映し出されていた。

「あっ、あっ、これ、おれなの、れなちゃん、れなちゃん、イく、イッちゃうぅぅぅっっっ!」
まるで放たれる前の弓のように玲奈ちゃんの身体がえび反りになると、ビクッ、ビクッと自分の名前を呼びながら玲奈ちゃんは絶頂を迎えた。それを見た俺も、ほぼ同時に精液を――玲奈ちゃんの背中に向けてぶちまけたのだった。

***

「太一、本当に最悪だよ……もう二度と来ないからな」
 シャワーを浴び、服を着ると玲奈ちゃんは頬を膨らませながらそう言った。絶頂を迎えた後、しばらく起き上がることもできずに余韻に浸っていた玲奈ちゃんだったが、背中に精液をかけられていたことを知ると激怒しながらシャワーに入ったのだった。
「ごめんって……でも、気持ちよさそうだったじゃん……玲奈ちゃんも」
 それに、俺のこと「先輩」じゃなく「太一」って、名前呼びになってるしな。これは脈アリなんじゃないかな?
「それでも最初はゲームして胸を触るって約束だっただろ!帰る!」
「ま、待って!また会えるかな?」
「あー……それについて言っとくと、もし『私』に学校で話しかけて、今日のこと喋っても私はとぼけますからね、そしてもう一生先輩と関わることはないですから!」
「つまり、これは二人だけの秘密……?」
「ふ、二人だけどころか、『私本人』も今日のことは忘れますから!絶対にしゃべらないでくださいね!」
「わ、わかったよ……」
「それじゃ!」
 玄関口へ向かう玲奈ちゃん。それを追って見送る俺。閉まるドア。

「ぎゃっ!」
 悲鳴のような声が聞こえて、思わずドアを開けると、玲奈ちゃんが玄関先で盛大に転んでいた。どうやら、ハイヒールでバランスを崩して転んだらしい。
「玲奈ちゃん、大丈夫……」
「だ、大丈夫ですから!お気になさらず!」
 ヨチヨチとした足取りで生まれたての仔鹿のように歩く姿はとても大丈夫とは思えなかった。高いヒールを履くのに、慣れていないのだろうか……。女の子なのに?そう思いながら俺はドアを閉めると、玲奈ちゃんの痴態を思い出し、何回か抜くうちにいつしか眠ってしまった。

***

「……と、いうことがあったんだよ。聖也、なんで顔を覆ってるんだ?」
 年末。年越し。俺はいつもの歌番組を見ながら、聖也にあの日あったことを語っていた。
「……いや、何でもない。良かったじゃないか……」
 なぜか聖也はあの夜あった話をしても終始仏頂面、玲奈ちゃんのオナニーシーンの話をしても顔を赤らめるばかりだ。
「聖也、もしかして俺に嫉妬してるのか……?」
「するか!馬鹿!」
「まあいいや。それで、学校で玲奈ちゃんに会った時、不思議な事に気づいたんだよ」
「ふ、不思議なこと?玲奈ちゃんに何か話したのか?」
「いや、普通にあの時より高いヒール履いててさ。別に転んでなかったから、『ハイヒール履くの慣れたんだね?』って声かけたんだ」
「……玲奈ちゃんは何か言ってたか?」
「不思議そうな顔して、首を傾げちゃってさ。あの時言ってたとおり、あの日のことは忘れたことにしたいんだろうなぁ」
「……そりゃそうだろうな」
「でも、また来年のクリスマスも来てくれそうだぞ?」
「えっ」
「俺がさ、『お世話になりました。来年もよろしく!』って言ったらさ、ニッコリして、『こちらこそ。来年もよろしくお願いしますね』って言ってくれたんだよ!」
「……いや、多分それは違う意味だと思うぞ……」
「そんなこと聖也には分かんないだろ!あの時の玲奈ちゃんはエロくてさあ……」
「だからその話はやめろ!!」

また今年も、暮れていく。

***

12/16の「書け」麻雀(3位・4位になったら罰ゲームでTSFな創作をする)に負けたので書きました。
「脱ぐ」作品をということで指定されましたので、親友が彼女ができない主人公のためにひと肌「脱ぐ」……という話をば。
ありがとうございました!

変身能力を持った悪友(イラスト: universeさん)(アイドルマスター シンデレラガールズ二次創作)

universeさんの画像をお借りしてストーリーを付けさせて頂きました!
許可を下さったuniverseさん、ありがとうございました!
元ツイートは一番下に。



俺は親友の達也の家の呼び鈴を鳴らした。
「ピンポン、ピンポン、ピンポン、ピンポン……」
奥の方から声が聞こえて、ドアの方まで近づいてきたのがわかる。

「はいはい、そんなに焦らないでもいま出ますよ……っと。遅かったな、一樹……って、ええええっ!?小日向……美穂っ!?」
ガチャリとドアを開けた達也は、一瞬息を飲む。
俺は両手の人差し指で口元に「×」を作り、はにかんだ笑顔を作りながら、挨拶する。
「は、はじめまして!プ、ププ、プロデューサー!!こ、小日向美h……」
「……なんだお前か、まあ入れよ」
「なんだよー、最後まで言わせてくれよ!ちゃんと練習してきたんだからさぁ」
俺は「小日向美穂」の顔でぷぅっ、とむくれながら言う。

俺の一家は「超能力一家」というやつだ。家族はみんな生まれつき、何らかの超能力を持っている。
俺が持っているのはいわゆる「変身能力」。一度見たことのある人間になら誰にでも瞬時に変身することができる。父方のじいちゃんが同じような能力を持っていたらしい。隔世遺伝、ってやつかな。
変身すると、身体能力などは変身した人間の能力もコピーできる。だから、スポーツ選手に変身すれば抜群の身体能力を持てるし、歌手に変身すれば抜群の美声でカラオケすることだってできる。そう、女の身体になればその女の性感まで――。

もちろん、超能力のことは誰にでも話していいってわけじゃない。何年か以上の付き合いがあることとか、ややこしいいくつかのルールがあって、それをクリアしたのが親友の達也だったのだ。そんなわけで、俺は唯一俺の秘密を知っている達也の家に遊びに行っては、色んな人に変身して達也の反応を見るのが楽しみだった。

最初は驚いたりしていた達也だったが、人間の慣れとは恐ろしいものだ。2、3ヶ月もすると達也はすっかり俺の変身能力に慣れきってしまった。今では最近よくテレビや雑誌などで見ることが多くなってきたアイドル、小日向美穂に変身して家にやってきても、この通りだ。
折角この身体に合うサイズのパーカーとスカートまで買って着てきたのに、一発芸にすらならない。

「で、この子どう?かわいい?」
「まあ、かわいいっちゃかわいいんだけどさ」
「なんだよそのリアクション、つっまんね~!小日向美穂ちゃんの姿なのにさー。アホ毛がかわいいだろ?」
俺は小日向美穂の身体に合うスニーカーを器用に脱ぐと、早速達也の家に上がり込む。
うーん、俺だったらミニスカートから伸びるこの肉付きのいい太ももについ目がいってしまうところなのだが――。

「その変身能力を自分のために使えよ、俺に見せびらかして何が目的なんだよ……」
このように、つれない反応なのが達也なのだ。くそう。

「お前が『触らせて、揉ませて、嗅がせて、舐めさせてください』って土下座する所が俺は見てぇんだよっ!」
悔しくなって、つい俺は本音を口走ってしまう。
「一樹……性格悪いなお前」
達也は呆れた顔でクールに返す。ぐぬぬぬ……。
「何?実際お前って……女の身体に興味ないわけ?」
持ってきた荷物を無造作に置き、どっかりとリビングのソファーに腰掛けながら俺は言う。
スカートの中が見えたって構うものか。むしろ見せてるんだこっちは。下着だって女物を穿いてきてんだぞ。

「いや、いくら女の身体とはいえ、中身はお前なわけで」
「そーは言ってもさぁ、こーんなに魅力的なんだぞ?タレ目で、顔もかわいいだろ?17歳のくせにおっぱいも結構大きいし」
俺はそう言いながら、自分の胸をこれ見よがしに持ち上げる。

「ば、馬鹿っ!そういうことはやめろって」
恥ずかしそうに背を向け、こたつに入る達也。
「いーじゃん、別に誰も見てないし、俺の身体だぞ?それより、触りたくならないのかよ。今ならノーブラだぞ」
後ろを向いてしまった達也の髪をうりうりとかき回す。

「いや、触りたくなるんだけど……美穂ちゃんめっちゃかわいいし」
「ちげぇーんだよ、もっと必死に頼むとかさ」
俺は達也の態度がいちいち不満なのだ。なにが「触りたくなるんだけど……」だ!俺が求めてるのはそうじゃない。もっと、必死に「男の本能むき出し」みたいなやつが見たいんだけどなあ……。

「はぁ~、じゃあ高垣楓でもダメだよなぁ……せっかく着替え持ってきたのに……」
俺は諦め半分に変身能力をもう一度使いながら言う。
顔の輪郭だけではない。髪型や声、手の形、身体の形まで変化したのがわかる。
まだあどけなさの残る17歳の身体から、25歳の成熟した身体へ。
出している声も、すこし幼さを残していた甘い声から、クールで大人びた声に変わる。
身長が少し伸びたせいか、着ていたパーカーとミニスカートが少し窮屈に感じる。

瞬間、息を飲むような音が聞こえる。
「……え?」
顔を上げると、そこにはいつの間にかこたつから出て俺をまじまじと見つめる達也の姿があった。
目が据わっている。達也の獣のような目、そして俺の、いや高垣楓の目と目が合う瞬間――

「おっぱい触らせてください」
達也が地に頭をこすり付けるように土下座した。
「おっ?おお……?」
期待していたはずの展開でも、突然来ると誰しも戸惑ってしまうものだ。ましてやそれが、一旦諦めかけた頃にやってくればなおさら。

「ど、土下座……?えっ、えっと、お前、高垣楓のことが……?」
達也は土下座したまま顔をあげようとしない。
俺は高垣楓の身体の高鳴る鼓動を抑えることもできず聞いた。
「え、おっぱい触りたい……?」「触りたいです」
「髪くんくんしたい……?」「嗅ぎたいです」
「この声で、囁かれたい……?」「囁かれたいです」
相変わらず平伏姿勢を保ち続けたまま達也が泣きそうな声で言う。
「楓さん……大好きです」

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来た。来ましたよこれは。そうか、楓さんだったのかぁーー!お前が好きだったのは!
俺は高垣楓の顔を遠慮なくニヤけさせながら言う。
「どうしても触りたいの?」
俺はいつしかソファーから立ち、仁王立ちになって土下座する達也を見下ろしていた。アイドルデビュー前はモデルもやっていたこともある、171cmと長身の高垣楓の目線は、当たり前だが先程の小日向美穂ちゃんの目線とはだいぶ差があるのを俺は感じていた。

「触りたいです。ドストライクです」
……目線が高いほうが土下座を見下ろすときは気持ちがいいよね。しかも達也、俺を触りたいの?本当は男なのに?俺はゾクゾクするような快感を感じていた。

「仕方ねぇなぁ……」
もうすぐ、もうすぐだ……いや、しかしまだだ。落ち着け……俺は鼓動の収まらない胸に言い聞かせながら、持ってきた紙袋を手に取る。
「着替えてやっから、ちょっと待ってろよ」
俺は意味ありげな目配せを達也に送ると、トイレを借りることにした。もちろん目の前で着替えてやってもいいんだが、あえて見せないのもまたサービスってな。

+++

「じゃーん!これならどう見ても本物の高垣楓にしか見えないだろ?んふっ♥」
俺はそう言うと、グラビアアイドルのようなポーズを取ってみせる。
この日のためにわざわざ、「高垣楓のコスプレ用衣装」を買ってきたのだ。高い買い物が無駄になるかと思ったが、最後の最後で無駄にならなくてよかったぜ。
……まあ、「高垣楓のコスプレ用衣装」っていうか、今俺は「実際に高垣楓」なわけだからコスプレじゃないんだけどな?細かいことは言いっこなしだ。

「どうどう?可愛いか?ん~~?」
俺は見せつけるように腰を軽く振ってみせる。高垣楓の薄い服が俺の動きに合わせて軽く揺れる。胸を強調するような衣装ではないはずなのだが、俺の今の細身の身体では否が応でも胸が目立ってしまう。
加えて、肩が露出しているこの衣装……我ながらセクシーだ。俺は自分の身体に見とれたあと、横目でちらりと達也のほうに目をやる。

「めっちゃくちゃ可愛い!美人!興奮する!」
「もっと」
「声かわいい!太ももエッチ! ほくろエロい! 興奮する!」
達也は持てる限りあらゆる賛辞を俺にぶつけてきた。「興奮する」という言葉の通り、いつもクールでテンションの低い達也が俺を見ながらハァハァと荒い息を吐いていた。これだよ。俺が求めていたのはこれ!男の本能むき出し!

「おいおい、いくら『高垣楓の身体だからって』中身が俺だと興奮しないんじゃなかったのかよ?いくら『高垣楓の身体そのものだからって』さぁ~」
「そ、そういうこと言うなよ!それにその衣装……楓さんそのものじゃないか!」
「全く……たかが着替えで……たかがきがえで……『たかがきかえで』……ふふっ」
思わず25歳の美女には似つかわしくない、オヤジみたいなダジャレが口をついて出てきて、俺はなんとなく可笑しくて笑ってしまう。すると――
「か、楓さんだぁ~~~!」
達也のやつ、ますます興奮してやがる。え?これでいいの?

「か、楓さん……早く……触らせてください……」
正座待機する達也の下半身は、ズボン越しからでもはち切れそうなほどパンパンになっているのがよく分かった。しかも、俺が見ていたらもっと大きくなってきてやがる。

達也のやつ、男の俺相手に性欲むき出しにしちゃって必死かよ……♥あぁん♥男の性欲を弄ぶのって気持ちいいぃ~~♥
俺は頬に手をやると、自分の顔が紅潮して熱くなっているのが分かった。きっと達也から見たら、とんでもなくエロい顔をしているに違いない。ヤりたくなってくるだろ?何せ俺は高垣楓なんだからな……♪
俺は下半身の内側からきゅうっ、と湧き上がってくるような快感にゾクゾクしていた。

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「そこまで必死に頼まれちゃ仕方ねえなっ」
ごくり、と生唾を飲む達也。
「お前に楓さんを堪能させてやろう」
俺は悪戯っぽい笑みを浮かべると、くるっと達也に背を向ける。
達也は正座しているから、俺を見上げるような形になっている。男の視線、女にバレてるって本当なんだな。達也が俺の黒タイツに包まれた長く美しい脚を舐めるように見つめているのがよく分かる。荒い息とともに突き刺さるような視線が伝わってくるようだった。

俺は見られる快感で左手で自分の体を抱きしめ、少し身を捩らせながら、そのまますとんっ、と達也の上に腰を下ろす。達也はあまりのことに緊張しているのか、身をカチコチに固めたまま動かない。
そりゃそうだろう、そりゃそうだろう。現役S級アイドルの高垣楓が自分の膝に腰をおろして密着しているのだ。カチコチに緊張している達也の身体。それにひきかえ、俺の身体は……
「どうだ……?女の子の身体ってやわらかいだろ……?」
俺は、さっきズボンの上でパンパンになっていた達也のアレの感触をお尻で感じていた。
「身体だけじゃなくて、こっちもめっちゃ固くなってますよ♥プロデューサー♥」
「うぁっ……」
俺は高垣楓のショートパンツごしに、尻でぐりぐりと達也のアレを刺激してやる。
動くごとに、俺の細くて柔らかい髪が達也の鼻先をくすぐる。
「うふふ♥ほら、嗅ぎたかったんでしょ?プロデューサー……?ひゃぁん♥」
言うか言わないかのうちに、すーはーすーはーと荒い息遣いとともに、髪や、首筋などを吸いまくる達也。大丈夫か?過呼吸にならないか?
達也の荒い息が耳元や首筋にかかり、俺の髪が揺れて、擦れて、絶妙に刺激してくる。
「あん♥くすぐったぁい♥」
俺が嬌声を上げるごとに、俺の尻の下で達也のムスコがむくむくと膨張していくのがわかる。
こいつ、俺の声を聞いて興奮しちゃってるんだな……♪
俺は自分の下着がグショグショに濡れてしまっているのを高垣楓のアソコで感じていた。

「ほーら、おっぱいも触りたいんだろっ」
鼻で呼吸するだけの機械になってしまっていた達也の手を掴み、ぐいっと俺の胸まで引き寄せる。

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この変身能力で、いろんな女に変身してきた。揉んでるのに自分の胸を揉まれている感覚はなんとも不思議で気持ちのいいものだったが、人に揉まれたことはまだない。
「今日は少し大胆になっちゃおうかなぁ……ふふふっ」
俺は達也の手を俺の胸の上に置いた。達也の手が震えているのがわかる。
「プロデューサー……私、今日ノーブラなんです」
さっき小日向美穂だった時に言った事実を繰り返す。さっきはなんともなかったはずの達也が、ビクッ、と震えたのがわかる。面白すぎ……♥
ゆっくりと、俺の胸が揉まれ始める。達也の手に合わせて俺の胸が柔らかくふにふにと蠢く。
「はうぅん」
人に揉まれるってこんな感じか。不思議な感触に俺の息もだんだん荒くなってくる。

俺は振り向いて、達也と目を合わせながら、涙目で懇願するように言う。
「プロデューサー……私、興奮してきちゃいました。責任取ってくださいね?」
「楓さん……楓さんっ!」
俺は内心ニヤつきながら、ノリノリで演技を続ける。
「私、興奮してきて……ほら……ここ……乳首、固くなってきちゃってるんですよ?」
俺の乳首を、服越しになぞるように、俺は達也の人差し指を誘導する。
「ほらここ……わかるでしょ?ここが私の、高垣楓の乳首っ……ぁあうっ!」
やべぇ、この身体、高垣楓の身体、乳首敏感すぎっ……!
俺はビクビクと身体を震わせながら軽くイッてしまった。

気づくと、俺は達也に乱暴に押し倒されていた。
「楓さんっ……俺、もう我慢できません……」
「ちょ、ちょっと!」
俺は

(省略されました……続きを読むにはワッフルワッフルと書き込んでください)



わっふるわっふる!
元ネタはこちらです▼



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